大舞台でよみがえったケプカ 自己ベストタイ「62」で連覇へロケットスタート
◇世界選手権シリーズ◇WGCフェデックス セントジュード招待 初日(30日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7277yd(パー70)
やはりビッグトーナメントでは侮れない。ブルックス・ケプカが9バーディ、1ボギーの「62」と爆発力を発揮し、8アンダーで単独首位発進を決めた。出だし1番からいきなり4連続バーディを奪うなど、2016年「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」初日にマークしたツアー自己ベストに並ぶビッグスコアで後続に2打差をつけた。
昨年痛めた左ひざの不安から低迷が続き、大会前の時点でフェデックスカップランキングは155位とプレーオフ進出圏外に沈む。最悪の状態でディフェンディング大会となる世界選手権シリーズ(WGC)を迎え、さらに次週は3連覇を狙う「全米プロ」。王者は必死の調整を続けていた。
前週予選落ちした後にスイング担当のクロード・ハーモンIII、ショートゲーム担当のピート・コーウェンといったコーチ陣と腹を割って話し合い、改善ポイントを洗い出した。ロリー・マキロイ(北アイルランド)やジャスティン・ローズ(イングランド)を指導してきたフィル・ケニオンに「苦戦している。助けてくれ」と打ち明け、新たにパッティング担当としてチームに加わってもらった。
執念が実った。「ミスの原因がどこにあるのか、クラブが正しい位置にあるのか、パッティングがどうなっているのか、ようやくわかった気がしたよ」。パッティングでトゥ側に置いていたボールをセンターに近づけるなど修正を加えたことで左手のストロークの感覚が良くなり、ゴルフスイング全体にも好影響が出たという。
シーズンで「-0.111」と140位だったストロークゲインド・パッティングは、この日フィールド4位の「+3.066」を記録。ショットの貢献度を示す「ストロークゲインド・ティtoグリーン」に至っては、自己最高となる「+4.639」をたたき出した。
2006、07年と前身大会「ブリヂストン招待」を制したタイガー・ウッズまでさかのぼるWGC連覇の高いハードル。驚異的な勝負強さを見せつけてきたこの男なら、越えていってしまうかもしれない。