2020年 ワークデイ・チャリティオープン

最初のディナーから1年 モリカワがトーマス先輩を撃破

2020/07/13 09:40
コリン・モリカワがプレーオフを制して通算2勝目(Sam Greenwood/Getty Images)

◇米国男子◇ワークデイ・チャリティオープン 最終日(12日)◇ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)◇7456yd(パー72)

日系米国人の23歳、コリン・モリカワが恐るべきスピードで実力を証明し続けている。2位から3打差を追ったジャスティン・トーマスを最終18番でとらえ、通算19アンダーで突入したプレーオフ3ホール目で撃破。今季初勝利、昨年ツアー初勝利を挙げた「バラクーダ選手権」以来の通算2勝目を飾った。

プロ入り同期の2年目、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)と競うようにスコアを伸ばし「66」でまとめたモリカワ。3打ビハインドで迎えた正規の上がり3ホールで並ぶと、プレーオフ1ホール目(18番)で強さを発揮した。トーマスが15mのバーディパットを決めた直後、「決めなければ終わり。読み通り完ぺきなパットだった」と7mを入れ返してガッツポーズで応戦。10番に移った3ホール目、相手が第1打を右に曲げてボギーとしたのを横目にパーを拾って決着をつけた。「スタート時点では3打差を追いつける選手はほとんどいないと思っていた」と、逆転劇に自らも驚いた。

「ちょうど1年前、初めて一緒に食事をしたんだ」。27歳にして通算12勝を挙げているトーマスとの関係は昨年6月に始まっていた。プロデビュー戦となった「RBCカナディアンオープン」の期間中にディナーに招待され、カリフォルニア大から鳴り物入りで飛び込んだプロの世界での成功について言葉を授かったという。

「彼は『自分の力が十分にあれば、きっと花開くときが来る。ただし、道筋はみんな違う。早いか、遅いかは誰にも分からないが、自分次第で(成功に)たどり着く』と話してくれた。その時点で僕にはすでに自信もあった。出場機会にも恵まれて、良いプレーもできたんだ」

トーマスと健闘を称え合うコリン・モリカワ(Sam Greenwood/Getty Images)

活躍はすでにツアー史に残るものになっている。プロ6戦目で初勝利を挙げ、今季はコロナ禍でのシーズン再開初戦、6月の「チャールズ・シュワブチャレンジ」でプレーオフ惜敗。2週前の前戦「トラベラーズ選手権」で初めて予選落ちし、プロ入りからの連続通過記録がタイガー・ウッズの25試合に次ぐ、歴代2位の23試合で途切れたばかりだった。そして、1週のオフを経てすぐさま優勝。2度目の予選落ちを喫するまでに2勝目を挙げたのは、ここ30年でほかにウッズしかいない。

誰よりも濃密な1年を過ごしているという自負もある。「大きなステップになる。コロニアル(チャールズ・シュワブチャレンジ)の敗戦はきつかったけれど、学ぶものも多くあった。そうやって扉を開いていく。今回のプレーオフは気持ちよくプレーできた」。勝利の瞬間、口元に笑みをたたえたトーマスに対し、表情を引き締めてグータッチで応じたモリカワ。自身のキャディと向き合うと、目いっぱいの笑顔になった。

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