2020年 ロケットモーゲージ・クラシック

単独首位浮上のウルフ 頭に流れたアイスクリーム屋さんのメロディー

2020/07/05 09:30
首位に立ったマシュー・ウルフ(Gregory Shamus/Getty Images)

◇米国男子◇ロケットモーゲージ・クラシック 3日目(4日)◇デトロイトGC(ミシガン州)◇7340yd(パー72)

流れるメロディーも味方につけて、マシュー・ウルフがプロ2勝目に近づいた。連日の「64」で通算19アンダー。後続に3打差をつけたムービングデーの爆発の要因に挙げたのは、なんとも意外、コースの外を回る「アイスクリームのトラック」だった。

会場のデトロイトGCはダウンタウンの北にある。日差しもキツかった土曜日の日中は、コースに面した住宅街をアイスクリームの移動販売車がゆっくりと巡回していた。「ジョークじゃないよ。5番(パー3)できょう一番長い、10mくらいのパットを決めたとき、トラックから(メロディーが)聞こえて、いい気分になった。それから頭のなかはアイスクリームの車の歌でいっぱい。パットで余計なことを考えずに済んだんだ」

夕方が近づくにつれ、ゴルファーにストレスを蓄積させるポアナ芝のやっかいな芝目もなんのその。「ポアナでボールが跳ねることを考えがちだけど、とにかく、自分ができること、ラインとスピードの読みに集中した。確かにきょうは難しかった。でも変な転がりもあれば、ラッキーな転がりもあった」。中盤9番からの2連続ボギーにもめげず、後半14番は残り217ydの第2打を6Iでピンそば5mに2オンさせてイーグルを決めた。

54ホールを終えて25バーディ(イーグルを含む)は今シーズンの全選手中最多の数字。21歳2カ月21日で迎える最終日に昨年7月の「3Mオープン」以来の優勝を飾れば、タイガー・ウッズ(20歳9カ月20日)に次ぐ、年少複数回勝利となる。

どこか牧歌的なリズムが耳に届いたのも、静まり返った無観客試合の恩恵かも? ちなみに21歳は「バニラ派」だとか。「車にはもっと美味しそうなアイスキャンデーがあるみたいだった。あしたはそのことを考えてプレーするよ」

2020年 ロケットモーゲージ・クラシック