2020年 ザ・プレーヤーズ選手権

無観客試合を控え…松山英樹が“第5のメジャー”で圧巻コースレコード

2020/03/13 09:44
大観衆の前で・・・松山英樹は最高のスタートを切った

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 初日(12日)◇TPCソーグラス(フロリダ州)◇7189yd(パー72)

後半アウトのプレーを進めていた午後0時、PGAツアーは新型コロナウイルス感染拡大を受けて13日以降の無観客試合を決定した。松山英樹は周囲がざわつくなか、“第5のメジャー”でコースレコードに並ぶ「63」をマーク。待望の3季ぶりの優勝を目がけ、9アンダーの単独首位で駆け出した。

早朝スタートの穏やかなコンディションだけが理由ではない。松山はスタートから文句なしのプレーを連発した。出だし10番から鮮やかに4連続バーディを奪取。302ydと短い12番では左のハザードを恐れず1Wで1オンに成功、さらに「13番で入ってくれたパット(手前から4m)が一番、思い通りに打てた」とグリーン上でのプレーに自信を持たせた。

ザ・プレーヤーズ選手権初日に松山英樹が握ったスコッティキャメロンのパター

週末に「77」、「80」をたたいた直前の「アーノルド・パーマー招待」での失望感がウソのよう。この日はスコッティキャメロン製の新たな黒いピン型パターを投入したが、「たまたま入るとそう言われるが、替えたからといって入るわけではない」と道具のスイッチを好発進の要因にはしなかった。ストローク・ゲインド・パッティングで全体1位の「+4.276」を記録しても、「いろんなことを試している。(頭が)こんがらがっていたが、自分の打ちたいように打ったら、きょうは入りました」と淡々と振り返った。

むしろ手ごたえに挙げるのは、失いかけていたショットへの好感触が戻ったこと。「先週の状態で(パットが)入っても、アンダーパーは無理だったと思う。ショットがある程度フェアウェイに行って、ある程度グリーンに乗ればこういうスコアになる」。ラフとの境目のセミラフからの第2打を池に入れた16番(パー5)が唯一のボギー。後半アウトでさらに4つバーディを奪うと、最高のフィナーレが9番で待っていた。

松山英樹が記録した「63」はTPCソーグラスのコースレコード

ピンまでは残り295yd、松山自身がこの日のベストショットに推した3Wでの第2打はグリーン右奥に残った。8mのラインを読み切ってイーグルフィニッシュ。フレッド・カプルス(1992年)、グレッグ・ノーマン(94年)、ジェイソン・デイ(16年)、ウェブ・シンプソンブルックス・ケプカ(いずれも18年)らが記録したコースレコードの史上9人目の達成者になるとともに、第1ラウンドのキャリアベストスコアをマークした。

「ショットは先週は悪かったが、きょうは立て直すことができた。パットが入ればきょうのようなプレーができるのではと思っていた」。パンデミックになったウイルス感染の影響で2日目以降は無観客で試合が続行される。「どういう感じになるのか分からないですけど、誰も(ギャラリーが)いないのは違和感があると思う。でも、しっかりと。テレビの前で応援してくれる人はいると思うので頑張りたい」。当面の間、ツアー会場で触れ合うことのないファンに強烈な印象を残して一時の別れを告げた。(フロリダ州ジャクソンビル/桂川洋一)

2020年 ザ・プレーヤーズ選手権