これまで勝率100% ウッズ、歴代最多82勝へあと7ホール
◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 4日目(27日)◇アコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブ◇7041yd(パー70)
赤シャツに黒のベストを着込んだタイガー・ウッズを秋の夕陽が照らしていた。この日、消化したのは第3ラウンドと最終ラウンド途中までの計29ホール。「66」とした第3ラウンドで3打差の単独首位をキープすると、最終ラウンドも11番までに2つ伸ばして通算18アンダー。2位の松山英樹に3打差をつけている。
今大会は8月の左膝の手術以来となる復帰戦。「(手術後に)カートに乗って36ホールはプレーしたけど、歩いたり、ラインを読むためにしゃがんだり、立ったりすることとは違う」と身体には未知の負担がかかっている。だが、「一番疲れるのは心だ。(コースにいる)10時間というのは集中を続けるには長い時間で、途切れそうになる集中を取り戻して、1打に100%コミットするということが難しい」と打ち明けた。
ウッズの記録を紐解けば、過去54ホールを終えて単独首位に立った場合、45回中43勝を挙げている。3打差以上の場合は、23回中23勝と100%の勝率だ。今週、ここまでのバーディ数は25個でフィールド最多。「リードを増やそうと思っていた。もし、いまのスコアを守ろうとしたらリードはなくなる。コースが軟らかいので、バーディを取り続けることだけを考えて、大部分でそれはできた」とうなずいた。
あす月曜日に残された7ホールを逃げ切れば、今年4月の「マスターズ」以来となるツアー通算82勝。これは、サム・スニードが1965年に樹立した米ツアー史上最多優勝記録に54年ぶりに並ぶ偉業となる。
「もし自分がやるべきことをやれば、優勝という結果がついてくる。たぶん、それで『82』という数字になるのだろうけど、いまは自分がやるべきことをやって、勝利を得るということに集中している」とウッズはいう。ツアー初優勝を飾った1996年の「ラスベガス招待」から24年。幾多の怪我やトラブルを乗り越えてきた43歳のキャリアを考えれば、1日29ホールも、月曜日への順延もわずかな時間と思えてくる。
追いかけるのは、地元日本の大声援を受ける松山英樹。もし、ウッズに少しの不安があるとすれば、それは難易度1位の12番(490yd/パー4)から再開するということだろう。
「12番からスタートするのは簡単じゃない。朝で気温も低いだろうし、その分距離も長くなる。ピンも難しいところに切られているし、良いスタートを切ることが大事になる」と、午前7時半の再開直後を一番のポイントとした。(千葉県印西市/今岡涼太)