地の利も味方 3位発進の松山英樹「そのままPGAツアーが日本に来た」
◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 初日(24日)◇アコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブ◇7041yd(パー70)
ティイングエリアからグリーンまで、コースの両脇を幾重にもギャラリーが取り囲む。スタートの1番ティに立った松山英樹は「3年前の日本オープンも同じような雰囲気だったなぁ」と思いを馳せていた。隣には、その時と同じくアダム・スコット(オーストラリア)が立っている。だが、この試合は日本初となるPGAツアー。「そのままPGAツアーが日本に来たみたいで、やりやすかった」と1Wを振り抜いてフェアウェイをキープすると、慣れた職場で躍動した。
1番から幸先よくバーディを奪うなど、この日は7バーディ、2ボギーの5アンダー「65」。首位のタイガー・ウッズ、ゲーリー・ウッドランドとは1打差の3位とした。
主戦場とするアメリカ本土とは違い、「いいぞ、松山ー!!」「かっこいい!」と日本語の声援が飛ぶ。アプローチやパットがカップに絡めば、「入れ!入れ!入れー!」と我がことのように真剣な言葉が耳に届く。好プレーの要因を問われると「ギャラリーの力じゃないですか?」と笑ったが、あながちリップサービスということもないだろう。
パターは前週「ザ・CJカップ@ナインブリッジ」に続いてスコッティ・キャメロンのセレクト スクエアバックプラスを投入し、1WのシャフトもグラファイトデザインのツアーAD XCへと挿し替えた。「(1Wショットは)悪くなかったし、最近の中だったら一番良かったんじゃないかな」と、パー3を除く13ホール中11ホールで1Wを握って、フェアウェイキープ率は61.5%。林に入るようなトラブルはなく、着実にチャンスへとつなげていった。
「もったいないところもあったけど、スコアにはすごく満足しています」と松山はうなずいた。カラーから“3パット”をした7番や、フェアウェイからグリーンをとらえきれずにボギーとした17番など、いくつかのミスはあったが、最終18番(パー5)はグリーン奥からファーストパットを2m以上ショートしながら、これをねじ込みバーディとして満場の拍手を浴びた。
「コースの芝もぜんぜん違うし、やっぱり僕は日本で育ったので、すごくやりやすいなという印象はあった」という。さらに来場者は初日から1万8536人に膨れ上がり「こんなにギャラリーが入ることもなかなかないので、すごく集中しやすかった」と地の利もプラス作用に働いた。
タイガー・ウッズの背中を追うが、「うーん、まあ別にっていう感じですね…」と、周囲の喧騒とは無縁の境地を突き進む。(千葉県印西市/今岡涼太)