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スマホとプロゴルフ 日本のファンへの期待をPGAツアーコミッショナーが語る

2019/10/24 09:51

◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 事前(23日)◇アコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブ◇7041yd(パー70)

2017年1月にPGAツアーの第4代コミッショナーに就任したジェイ・モナハン氏にとって、「ZOZOチャンピオンシップ」は数あるチャレンジのひとつでもある。中国、マレーシア、韓国に続き、アジアで4カ国目のツアー大会開催地になった日本でのティオフを誰よりも待ち望んだ一人だ。

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しかし最近、アジアのゴルフ界では悩ましい問題がたびたび話題になる。試合中、禁止されているカメラ撮影を行う一部ファンのマナー違反から騒動が勃発。世界最高峰のツアーのトップは、スマホとゴルフの望ましい関係性をどう考えているのか。

渋野日向子のメジャー制覇の快挙に沸く国内女子ツアーでは、悪質な撮影行為による選手のプレーの仕切り直しなどが多く取りざたされている。韓国では9月、男子大会で優勝争いを演じていたキム・ビオが、スイング中のスマホカメラのシャッター音に腹を立て、ファンに中指を立てた行為が問題となり、3年間の出場停止処分を下されることに(罰については現在も協議継続中)。

写真も動画も手軽に手元に収められる時代。欧米ではマナーモードにすればシャッター音が消えるスマホも多いが、アジア諸国ではそうはいかず、来場者が増えれば増えるほど、「お静かに!」が基本マナーのゴルフ観戦とのせめぎ合いも大きくなるのが現状だ。

前売り券が1カ月以上前に完売し、連日2万人の集客が見込まれる「ZOZO」。モナハン・コミッショナーはこのスマホ撮影について「みなさんが思うほど大きな問題ではない」という。「選手たちはそういうことが起こりうることも理解し、準備もできているのではないか。しかし、日本のゴルフファンは敬意があり、礼儀正しい。大丈夫だと確信している」と断言した。

モナハン氏は世界最大のスポーツマネジメント会社IMGで、パットの名手として知られたブラッド・ファクソンのマネジャー業からゴルフ界とのかかわりを持ち、その後ビジネスマンとして多くの興行に携わってきた。静岡で「ワールドカップ」が行われた2001年当時は、大会の冠スポンサーだった企業を担当。タイガー・ウッズのスーパープレーに沸き、熱狂する日本人ギャラリーの姿を覚えているという。「ファンから素晴らしい情熱を感じた。ツアーでもいま、松山英樹が日本人選手を引っ張っている。それに日本はメディアも充実していて、ゴルフ熱が高い」

PGAツアーには以前、着信音などを懸念してギャラリーに携帯電話の持ち込みを厳しく禁止していた時期があった。こっそり通話や撮影をしようとする来場者に、屈強な警備員が詰め寄り「コースを去るまで預っておく」と携帯電話を取り上げるシーンも珍しくなかった。時代の流れに沿って“持ち込み解禁”の方向へ舵を切ったのは2011年。さらに17年8月には練習日に限定されていた写真・動画撮影も許可した(サイレントモードのみ。ライブ中継や、ショットごとの情報発信等は禁止)。

この規制緩和はもちろん狙いがあってのこと。モナハン氏はスマートフォンの普及、SNS時代の到来について「間違いなくツアーにとっては大きなビジネスチャンスのひとつ」とうなずく。「現代はファンひとりひとりがメディアの一員と言っていい。“瞬間”をシェアできるような環境を作れれば、ゴルフへの興味を多くの人に向けて拡散できる。私たちはそれぞれの体験から、PGAツアーの価値というものを世の中にシェアしてほしい」

どうあがいてもシャッター音が響く日本製のスマホだが、大会は今回、ファンにとって貴重な瞬間を収めてもらうべく、一部エリア(※)で撮影を許可した。利害への理解が相互で深まれば、プロゴルフの魅力は多くの人の手によって大きくできる。

大会に先立ち、21日(月)に行われたタイガー・ウッズ松山英樹ロリー・マキロイ(北アイルランド)、ジェイソン・デイ(オーストラリア)のスキンズマッチから、現地の熱狂ぶりをモナハン氏も肌で感じてやまない。

「きのう(22日)、ケビン・ストリールマンと話したんだけど、朝7時15分にコースの練習場に来たとき、雨なのにスタンドは満席、たくさんのファンがスタンディングオベーションで迎えてくれたそうだ。打つのにちょっと緊張したみたい(笑)」。そして、さらなる期待も日本のファンに寄せている。「日本にはゴルフを熟知しているファンがたくさんいる。ツアーの情熱、興奮や喧騒…を感じてほしい。また、彼らファンの礼儀正しく、謙虚な態度はメディアを通じ、今度は世界に発信されるはずなんだ」(千葉県印西市/桂川洋一)

※<ZOZOチャンピオンシップの写真、動画撮影について(大会ホームページより抜粋・一部編集)>
写真撮影、動画撮影は限られたエリアでのみ可能となります。
選手のプレーを妨げる連写音、フラッシュ撮影はお断りいたします。
※写真撮影は基本的にカメラ付き携帯電話での撮影でお願いいたします。
■写真/動画可能エリア
・4H(4番ホール・セカンド周辺)、6H(セカンド周辺)、11H(セカンド周辺)、14H(サード周辺)、ギャラリーパーク内、インタビューエリア
■動画のみ可能エリア
ドライビングレンジ、アプローチエリア、パッティンググリーン
※プレーに支障が出た場合には規制させていただきます。

関連リンク

2019年 ZOZOチャンピオンシップ



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