松山英樹 ポイントランク33位に後退「しびれるところ、うれしい」
6年連続の最終戦進出に“黄信号”が灯った。7アンダー17位タイから出た松山英樹は1イーグル1バーディ、2ボギー1ダブルボギーの「72」として通算6アンダー30位タイでフィニッシュした。フェデックスカップポイントランキングは30位から33位に後退し、次週のプレーオフシリーズ第2戦「BMW選手権」(イリノイ州メダイナCC)は、翌週「ツアー選手権」(ジョージア州イーストレイクGC)出場をかけた巻き返しが必要になった。
乗りかけた波を操ることができなかった。松山は前半5番でボギーを先行させた直後の6番(パー5)で、グリーン左奥からウェッジでチップインさせてイーグル。両手でガッツポーズをつくったが、その後は足踏みが続いた。「パーを取れたのでうまく波に乗って行けるかと思ったんですけど、次のスコアがボギーになってしまった」。悔やんだのは後半13番(パー5)。アイアンでの2打目をグリーン手前の池に突っ込み、ボギーを喫した。
1Wでグリーン手前まで運んだ16番で2日連続のバーディを決めながら、次のホールでまたつまずいてしまう。右サイドのフェアウェイバンカーからの第2打はPWであごに当て、目の前の深いラフにポトリ。脱出にも苦労して4オン2パットのダブルボギーをたたいた。「バーディを取りたかった。そういう欲がああいうミスにつながった」と積極策が裏目に。同組で「65」をマークしたアダム・スコット(オーストラリア)にも引き離され、「良いところもあるが大きなミスが続いてしまった。その結果がこういう形になった」とうなだれた。
次週のプレーオフ第2戦で上位30位以内を確保しなければ、6年連続となる最終戦進出を逃す。過去5年で、トップ30圏外で「BMW―」に出場するのはキャリアで初めてだ。好成績が必要な、緊張感に満ちた4日間を前にして、松山は「そういうしびれるところでやれるのは、うれしいというか。やりたくはないですけど、優勝争いをすればそういう形(最終戦進出)になってくると思う」と、気持ちを新たにした。
「良くはなってきている」と全体的な状態を説明する。「自信を持てていない分、ビビってしまってミスも出る」という、流れをつかむ要所での好プレーが待たれるところだ。具体的な課題に挙げたのが、本来の持ち味であるアイアンショットの精度。「フルショットに関しては良いところも増えてきたが、コントロールショットというか、(残り)130、140ydくらいのところで大きなミスをしている。しっかりチャンスに付けることができれば、もうちょっとマネジメントも楽になると思うし、スコアにもつながると思う」。ニューヨークエリアから次週はシカゴへ。アトランタへの扉を開くために取りこぼしは許されない。(ニュージャージー州ジャージーシティ/桂川洋一)