アマ・その他ツアー

穏やかに…38ホールの激闘を戦い抜いた松村道央

2014/09/14 20:03
「普段も粘り強くやればいいのかなと思うけど、毎週はもたないですね」と苦笑いでマッチプレー優勝を振り返った松村道央

準決勝で竹谷佳孝との20ホールにわたる戦いを制した松村道央は、1時間も経たないうちにスタートする決勝戦を前に「また一回戦という気持ちで臨めるように」時間を使った。火照った体を冷やすために、クラブハウスで水風呂に入り、シャツを着替え、打撃練習場で体をほぐす。

「午後のスタートに影響が出ることがある」から、口にしたのはゼリーだけ。「お腹は空かないんですよね」というが、35ホールを戦った昨日は終わったときに体重が3キロ落ちていたという。

この日、葛城GC(静岡県)で行われた「片山晋呉インビテーショナル ネスレ日本マッチプレー選手権」を制した松村は、最終日は2試合38ホールを戦い抜いた。国内では11年ぶりとなるプロによるマッチプレーの試合。「(通常のストローク戦とは違って)充実感、やり遂げた感じが強い」と、32人中唯一負けなかった松村は控えめに微笑んだ。

藤本佳則との決勝戦。1番で藤本にいきなりバーディを奪われて1ダウン。2番ですぐに取り返し、続く3番(パー5)では2オンした藤本に対し、3オンの松村は7メートルのバーディパットをねじ込み、引き分けた。「あれをキープできたのが大きかった」。

その後は、ショットの切れ味鋭い藤本と一進一退の攻防が続いた。1ダウンで迎えた15番(パー5)で、バンカーからの3打目をグリーンオーバーさせた藤本に対し、2オンした松村がOKバーディで勝負はオールスクエアへ。

17番のグリーン上で勝敗が分かれた。藤本は15メートルのファーストパットを「タッチは良かったけど、思ったよりも転がらなかった」と2メートルショートする痛恨のミス。それを見た松村は「葛城のグリーンは、下りは傾斜で速いけど、上りは見た目以上に重い。彼が打ったのを見て確信したので、1メートル以上オーバーさせるつもりで打った」というパットをOKに寄せて2パット。藤本が2メートルを外して、松村の1アップとなった。

18番(パー5)では、ティショットを左ラフに入れてレイアップを余儀なくされた藤本に対し、フェアウェイから残り248ヤードを5Wで振りぬいた。「なかなかグリーンキャッチするのは難しい状況。ピンに構えたら、自分の最高のスイングをして、振り切ってやろうと思った」と、この2打目をピン上5メートルにつけて鮮やかに勝負を決めた。

松村は国内ツアーのプレーオフでも2戦2勝。今年の海外開幕戦となった「インドネシアPGA選手権」でも優勝し、今回の副賞で出場権を得たモロッコで行われる欧州ツアー「ハッサンII ゴルフトロフィー」にも「日本の男子ツアーの力を見せたい」と意欲を燃やす。「なんですかね。気持ちと根性ですかね」と首をひねったが、厳しい状況での勝負強さは抜群だ。

8月には待望の第1子となる羚央(れお)君が誕生した。「(帰って)自宅で妻の手料理をいっぱい食べたいです」と微笑む顔が、内なる強さを包み隠した。(静岡県袋井市/今岡涼太)