米国女子ツアー

16歳の“天才少女”がアマ規定に違反 アップルウォッチ広告出演で警告

2019/02/15 07:27
アマチュア規則に違反し広告に出演したとして警告を受けたルーシー・リー(Marcelo Endelli/Getty Images)

全米ゴルフ協会(USGA)は14日(木)、世界アマチュアランキング8位の女子ゴルファーであるルーシー・リー(米国)がアマチュア資格規則に違反したとして、警告したと発表した。16歳のリーは米アップルが展開する商品広告に出演していた。現在のアマ資格は保持される。

アップルは昨年末、スマートウォッチの広告キャンペーン「Close Your Rings」にリーを起用。映像には腕時計をしてゴルフスイングを繰り返すシーンが盛り込まれた。USGAが承認するアマチュア資格規則6-2(※)では、アマチュアゴルファーが商品の宣伝や広告、販売に寄与することを禁じており、規則に抵触する可能性が浮上していた。

USGAのアマチュア資格委員会は1月3日、リーのアマ資格について一時保留すると通達。アップルはすぐに広告を取り下げた。同11日に規則違反と判断し、リーとその家族、同社への聞き取り調査を進め、金銭やその他の報酬を受け取っておらず、今後も受け取らないことを確認。リー自身の規則への認識不足を鑑みて、資格喪失ではなく警告にとどめた。違反行為への措置としては、規則8-2で「委員会はプレーヤーのアマチュア資格喪失を宣言するか、資格保持の条件として、違反行為を自制するか止めるようプレーヤーに要求することができる」(抜粋)とされている。

カリフォルニア州出身のリーは2014年、「全米女子オープン」の予選会を史上最年少の11歳で通過して本戦に出場し“天才少女”として注目された。2月13日時点の世界女子アマチュアランキングで8位につけている。

自身のツイッターで14日、「USGAに謝罪し、アップルウォッチの広告に出演したことへの責任を受け入れます」とした上で、当面はアマチュア選手としてプレーを続ける意向を示した。

※〈アマチュア資格規則 6-2. 宣伝、広告、販売〉
ゴルフの手腕や名声のあるアマチュアゴルファーは、次のことに対して直接的であろうと間接的であろうと、支払い、報酬や私的な便宜を受けたり、金銭的利益を得るためにその手腕や名声を利用してはならない。

ⅰどのようなものであってもその宣伝、広告、販売をすること。
ⅱどのようなものであってもその宣伝、広告、販売のために第三者によって自分の氏名や肖像が利用されることを許可すること。

この規則では、たとえ支払いや報酬を受け取らなかったとしても、アマチュアゴルファーは、宣伝、広告、販売をすることによって、あるいはその宣伝、広告、販売のために第三者によって自分の氏名や肖像が利用されることを許可することによって、私的な便宜を受けたものとみなされる。