2017年 エビアン選手権

巧みな切り替え光る 宮里藍は27位からラスト18ホール

2017/09/17 07:35
観客の声援に思わず笑顔

◇海外女子メジャー◇エビアン選手権 3日目(16日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6470yd(パー71)

フランス人はあまり傘を持つ習慣がないという。それは、空気が乾燥していて、長く降り続く雨が少ないことも理由のひとつ。土曜日の第2ラウンドは、太陽が出ているのに雨が降ったり、曇ったと思ったら急に晴れたりと、そんなめまぐるしく変わる天候の中で行われた。

第1ラウンドを3アンダー8位で終えた宮里藍。上位を目指してティオフしたが、1番で1m強のパーパットを外してボギーとすると、3番ではグリーン左からの難しいアプローチを寄せきれず、最後は1.5mを外してダブルボギー。序盤から苦しい立ち上がりとなった。

宮里は3番について「すごく頭に来た」と振り返る。そして「こんなに怒るのは良くない。気持ちが入り過ぎているな」と自己分析。その上で「本当だったらふてくされて(キャディの)ミックとも話したくないところだけど、そこをあえて話しかけたり、いわゆる別人になる感覚」でやり過ごし、直後の4番でバーディチャンスを引き寄せる。ここは決められなかったが、5番(パー3)、7番(パー5)とバーディを奪い返した。

後半に入っても、見せ場は続く。12番をボギーとした後の13番(パー5)は、4打目のアプローチを打とうとアドレスした後に球が動き、競技委員を呼んで確認したが、宮里が球を動かす原因ではないことが明確で罰はなし。直後にこれを沈めて、同組のツェン・ヤニ(台湾)と笑いながらハイタッチで喜んだ。

16番(パー3)では、地元カメラマンのシャッター音もありティショットをミスしたが、グリーン上からウェッジを使って約20mを1.5mに寄せてパーセーブ。切り替えの巧みさが光った。

この日は3バーディ、3ボギー1ダブルボギーの「73」とスコアを落とし、1アンダー27位へと後退して、首位との差は8打になった。逆転優勝の可能性がないわけではないが、宮里は「スコアも順位もないっていったらあれだけど、どこまで無心で自分のゴルフをできるかというところがキー」と、現役最後のラウンドを見据えている。

あと18ホール。「最後まで自分らしくやれれば、達成感は得られると思うし、どこまでコントロールできるか楽しみです」と、いつも通りに抱負を語った宮里だが、残された1打1打の重みは、見ているわたしたちの方が感じそうだ。(フランス・エビアン/今岡涼太)

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