「良くまとめられた」宮里藍、現役最終戦の好発進に手応え
◇海外女子メジャー◇エビアン選手権 2日目(15日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6470yd(パー71)
初日がキャンセルとなり、2日目にずれ込んだ第1ラウンド。眼下のレマン湖から吹き上がる冷気が肌を刺す早朝、宮里藍はチップインバーディでこの日の幕を開けた。
スタートホールの10番に続き、11番も6mを沈めて連続バーディ。ティショットを左クロスバンカーに入れた12番では、3m弱ほど残ったパーパットをしぶとく沈め、この日初めて右手で小さくガッツポーズを作った。
「あれは大きかったです」。強い風と雨のなか、スタートからの6ホールで3つ落とした初日とは、コンディションもプレー内容も一変した。空気は冷たいが無風。きのうの雨でグリーンは軟らかい。宮里は高い集中力と精度の高い小技を武器に、ゲームを組み立てていった。
ところが、14番(パー3)で事件は起きた。ティショットを打った同組のポーラ・クリーマーが古傷のある左手首を痛めてしまう。悔し涙をこぼしながらも、トレーナーの処置の甲斐もあって、ひとまずプレーを継続。だが、折り返した4番で棄権を決断し、クリーマーは宮里と抱き合ってコースを後にした。
その間、宮里は18番、さらに折り返した1番で連続ボギー。それでも3番でバーディを取り返すと、7番(パー5)では6mを沈めて再び3アンダーまで巻き返した。「ラインもよく読めていたし、グリーンの状態も良くて、よく転がっていた」と、この日は3パットなしの計27パット。
前日よりフィーリングが良かったというティショットも好調で、後半は(3つのパー3を除く)6ホールすべてでフェアウェイをキープし、「とにかくフェアウェイに置かないと、私の飛距離では難しい」という課題もクリア。「全体を通して良かった」と、納得の表情で振り返った。
午前組では、今年の「全米女子オープン」覇者のパク・ソンヒョン(韓国)が8アンダーをたたき出した。「(8アンダーは)良く出たなっていう感じだけど、苦戦している選手の方が多いと思うし、あまりそこを追い掛ける感じではない。あすからまた天気が崩れるし、優勝スコアは予想がつかない。私は私ですごく良くスコアをまとめられたと思う」という宮里。勝負は短い54ホール。好スタートでチャンスをつかんだ。(フランス・エビアン/今岡涼太)