宮里藍「感傷的な思いない」 再び戦闘モードに入りメジャーへ
◇米国女子◇ウォルマート NW アーカンソー選手権 by P&G 最終日(25日)◇ピナクルCC(アーカンソー州)◇6331yd(パー71)
宮里藍は今季限りでの引退表明後初の米ツアーを66位で終えた。1アンダーの63位から出た最終ラウンドは5バーディ、2ボギー、1ダブルボギーの「70」とし通算2アンダー。次週出場予定のメジャー第2戦「KPMG女子PGA選手権」を前に“戦闘モード”に入った。
最終組から5時間早いティオフとなった日曜日は、手応えと口惜しさが入り混じった。1番でピンを直撃する第2打を見せ、いきなり2mにつけてバーディスタート。左ラフからの第2打をグリーン右の小川に入れた4番でダブルボギーを喫したものの、以降はショットで挽回した。「テンポもスイングも感覚が良く、打ち出したいところに出せていた」と、12番、15番(パー3)とピンそば2m以内に絡めるアイアンショットからバーディを決めた。
一方でパッティングには不満が残った。最後の3ホールもショットで立て続けに2m以内につけながら、バーディパットを沈めたのは18番(パー5)だけ。「グリーンがちょっと読めていない。朝からグリーンの状態が良く、芽がないくらいきれいかと思って(ラインを)薄く読んでいたが、(カップ際で)切れたパットが多かった」。日本ツアー参戦を挟み、2カ月ぶりの米ツアーで芝目の強いグリーンへの対応に苦労し、次戦への課題とした。
2週前の国内ツアー「サントリーレディス」では4日間で3万4500人が来場。宮里は感激のあまり最終日に涙したが、戻ってきた主戦場ではまだやるべきことが残されている。
引退を決断したことがラウンド中、プラスに働いている部分も確かにある。「(好スコアが出なくても)普段なら『今週は私の週じゃないな』と思う瞬間もあるんですけど、それが今は一度もない。良い方向に行ってくれて、今週もギリギリで予選を通れたと思う」。ただそれ以上に、日本で感じるものとは異質の重圧もある。「(人に)見られるプレッシャーというよりは、自分がしっかり成績を残さないといけないというプレッシャーが今はある」。14年のプロ生活の締めくくり。悔いの残る結果で終わりたくない。
「感傷的な思い? 全然ないですね」と3日間大会を終えてハッキリ言った。「きょうも伸ばせそうで伸ばせなくて、イライラもした。今週、ユ・ソヨン(韓国)が2日間で16アンダーを出したりして、自分もいろんな刺激をもらった。日本とは違う刺激。またちょっと頑張りたいな…という刺激をもらった」。惜別ムードは、いったん封印だ。(アーカンソー州ロジャーズ/桂川洋一)