宮里藍は辛くも予選通過 ショットに「サントリー」上回る好感触
◇米国女子◇ウォルマート NW アーカンソー選手権 by P&G 初日(24日)◇ピナクルCC(アーカンソー州)◇6331yd(パー71)
1オーバーの88位タイから出た宮里藍は4バーディ、2ボギーの「69」で回り、通算1アンダーとして予選カットライン上の63位タイに順位を上げた。引退表明後初の米ツアー出場で予選を通過。2週前の国内ツアー「サントリーレディス」から、ショットの復調への手ごたえを口にした。
予選通過圏外で迎えた最初の10番、宮里は4mあまりのバーディチャンスから3パットボギーをたたいた。会場入りしてからずっと懸念していた、2カ月ぶりの米ツアーのグリーンとのマッチング。パットに悩まされて出遅れた初日から一夜明けても「全然合っていない…」というスタートだったが、早い段階で感覚を戻した。
12番で2mの下りのパーパットを沈めて難を逃れると、続く13番ではバンカーショットのミスの直後、カラーから4mを沈めてボギーを回避。「やっとグリーンを感じられた。自分のストロークとイメージが合い始めた」。15番(パー3)で3m、16番では10mあまりを沈めて2連続バーディを決めた。
背後にカットラインがピタリとついた後半は、土俵際で踏みとどまった。1Wショットを左に曲げた終盤8番。前方の木々に行く手を阻まれ、2打目は6Iでグリーン右手前のフェアウェイにレイアップ。残り20yd、エッジからピンまでは約3ydしかない場面で、SWでピンそば20cmに寄せ、「良いパーセーブだったと思います」と納得した。
2012年に米ツアー9勝目を挙げたコースは、6331ydと距離が短く、「5mくらいのパットがどれだけ入るかで変わってくる」という。「きょうは3回くらい、チャンスで古いカップの跡の上を通さないといけないことがあった。それも含めて我慢の一日だった」。引退発表から1カ月。騒々しい時間を過ごしてきた中で、上向きにある調子を実感する。「サントリーのときはショットがパラパラだったんですけど、いまは戦える内容にはある」
あすの最終日は3日間大会の決勝ラウンド。上位の背中は遠いが、次週には出場権獲得が濃厚なメジャー第2戦「KPMG女子PGA選手権」(イリノイ州オリンピックフィールズCC)も控えている。(アーカンソー州ロジャーズ/桂川洋一)