佐伯三貴、“泥臭く”ノーボギーの3アンダー
07年に初めてセントアンドリュースで開催された「全英リコー女子オープン」は、今年で2度目の聖地開催。初開催時、同コースでのトーナメントレコードに並ぶ「67」を佐伯三貴は最終日にマークした。
「どうやって出したのか覚えてないです。若気の至りですね」と、大会前の佐伯は質問を煙に巻いた。練習ラウンドではショットが暴れ、とても「67」の再現を期待できるようには映らなかったが・・・、本番では見事に違った。
天候に恵まれた大会初日、佐伯は3バーディノーボギーの通算3アンダー。日本人トップに並び、全体でも首位と3打差の18位タイと好スタート。「開き直ってやりました。練習ラウンドでは色々考え過ぎて回るので・・・。始まってみたら、意外と回りやすかったです」と、あっけらかん。「チャンスもあったけど、ピンチもあった。今日は良いプレーができました」と貫禄を漂わせた。
「昔のことは過去のこと」と佐伯は言う。「成長はしているけれど、思い切りはないですね。泥臭いゴルフに変わりました」とその変化は感じている。
7番では奧のカラーから8メートルをパターで沈め、15番では3メートルショートしたバーディパットも次のパットでねじ込んだ。この日、ダブルボギーも続出していた難易度1位の13番。「(キャディと)どうする?って言っていて。ティショットを刻んでセカンドを長いクラブで頑張るのか、ティショットを行くだけいってやるのか。行くでしょってドライバーを打ったらディボットで。とりあえず載ってくれって感じで左(5番との共用グリーン)の方に打っていって。この長い足で30歩。それをパターで1メートルに寄せてパー」。
泥臭いという表現が適切かは分からない。「昔は狭いところにどれだけいけるか・・・みたいなゴルフ。3Wを持って“カン”とか、バンカーを避けて左に打つとか、昔はしなかったなぁと。でも、これもゴルフ。曲げても寄せてパーを獲るとか、載らなくても、寄らなくてもアプローチを入れるとか。私のゴルフは意外とそういうものなんで」。これも経験と技術の高さが為せる技。強風が予想される明日と明後日は、その威力がさらに存分に発揮されるはずだ。(英国セントアンドリュース/今岡涼太)