冷房なきチェコの熱帯夜 42歳・上原彩子は欧州ツアーでゴルフも人生も楽しむ
◇米国女子◇ISPS Handa スコットランド女子オープン 事前(21日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6538yd(パー72)
サウジアラビア、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、モーリシャス、ドイツ、モロッコ、フランス、オランダ、チェコ、ベルギー…。2024年から欧州女子ツアー(LET)でプレーする上原彩子は今季11カ国を渡り歩いて戦ってきた。「去年はたぶん16カ国だったと思います」。文字通り世界中を飛び回る42歳は、とにかく元気だ。
国境をまたいでの転戦生活は想定外のトラブルとも隣り合わせ。日本ほど冷房が普及していない欧州では、昨今の記録的熱波が恐ろしい。4週前のチェコは宿泊先に帰ってからが大変だった。窓を開けても閉めきってもどうにもならず、水を入れて凍らせたペットボトルを冷感抱き枕のように使って寝たという。「それでも全然暑くて。疲れが抜けきらないと、脳みそも身体もうまくリセットができない」。国によって大きく異なる環境下でコンディションを一定に保ち、力を発揮できる準備を整えることは決して簡単ではない。
それでも、全てをひっくるめて「すごく楽しいです」と笑顔で即答する。「若いって言っちゃダメですけど、まだ動ける時期はいろんなところに行きたい。海外でできるっていうのも、ゴルフをやっていないとこういう機会もないですし。いまだにいろんな国に行って、いろんな出会いもある。ゴルフを通して、ゴルフだけじゃなく、人生も楽しませてもらっているので。できるだけ、やり続けたいなって」
共催するLETの出場資格で、かつての主戦場だった米ツアーに2024年「ポートランドクラシック」以来の参戦を果たす。「久しぶりのLPGA(米ツアー)なので最低限、予選通過はできるように」と力を込めた。週明け27日には「AIG女子オープン(全英女子)」出場を目指し、セントアンズ・オールドリンクスで行われる最終予選会にも挑む。
初出場だった2013年「全米女子オープン」のニューヨーク州セボナックGCで受けた衝撃は忘れない。「どうやってプレーしたらいいんだろう…って。そこを超えるコースはいまだにないかな」。想像を絶する難しさに直面してから13年。決して立ち止まらないキャリアは、いまもひと味違う刺激に満ちているからやめられない。(スコットランド・ゲイレス/亀山泰宏)