「一人じゃない」岩井明愛の単独首位発進を生んだ相棒とのコミュニケーション
◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 初日(9日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6479yd(パー71)
奥行きのないグリーン左サイドにカップが切られた出だし1番で、岩井明愛はセカンドショットで思い切ってピンを攻めた。「突っ込んでいけたので、そこから良かったと思う」。手前に池が広がる5番(パー3)では6Iを握ってピン手前4mにつけ、ここから8バーディを奪う会心のラウンド。「ショットも良かったし、パットも良かったし、全部よかったですね。8アンダーを出せるなんて久しぶりです」。それがメジャーの舞台なのだから、声も弾んだ。
前週のオープンウィークに日本に帰国して調整してきたショットはもとより、自身が考える「63」の要因は相棒であるキャディとのコミュニケーションだという。前戦のメジャー「全米女子プロ選手権」では19位に入ったものの、これを含めて直近3試合は葛藤があった。「最近は自分のゴルフというより、消極的なプレーが多かった」。ラウンド中、コース内の唯一の味方であるキャディと攻め方を共有できず、迷いを抱えたままショットを放つことがしばしばあった。
今大会はこれまで以上に話し合うことを決めた。外国人キャディを起用する岩井明にとって英会話は必須。選手同士や関係者など、普段から積極的に英語を使って上達を図る努力も怠らない。この日は、ショットの落としどころなどで、活発なコミュニケーションがあり、迷いなく振りぬくことができた。「話し合って合意したらスムーズにいける。やっぱりコミュニケーションは大事ですね」。今季ここまでのバーディ数「197」はツアーナンバーワン。持ち前の攻めのゴルフへの回帰が、最高のスタートへの鍵となった。
エビアン選手権は3度目の出場で、初出場の24年は10位に入った一方、前年は予選落ちを喫した。「リベンジ」を語っていた24歳が、宣言通りに第1ラウンドをリーダーボードのトップで滑り出した。「2日目も楽しみながら。キャディのマークもいますし、一人じゃないと思って頑張ります」。ツアー初優勝だった昨年8月「ポートランドクラシック」に続く勝利が、メジャータイトルとなる期待も膨らむ。(フランス・エビアン/中村文香)