初めてのラウンドリポート 上田桃子がインタビュアーとして抱えた葛藤
◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 最終日(7日)◇リビエラCC (カリフォルニア州)◇6699yd(パー71)
開幕2日前の火曜日、上田桃子は「ひとり部屋で反省会をしていました…」という。今大会で初めてラウンドリポーター(U-NEXT)を務め、選手たちにマイクを向けた。
17勝を挙げたツアーの第一線を2024年に退いた上田は今月15日に40歳になる。インタビュアーデビューの相手は20歳の荒木優奈だった。上田は「実は(これまで)しゃべったことがなくて、同じ熊本の先輩として、意外と“どぎゃん”って、ちょっとふざけていけるかなと思ったんですけど、いけなかった。向こうをより緊張させてしまった。向こうも、こっちもカチコチ」とやり取りを反省したという。緊張は受け手にも伝わったようで、山下美夢有から「桃子さん…初めてですか?」と言われて苦笑いした。
2年前までは自身も日本のフィールドで戦っていた。第一線から退いても、プレーヤー目線は変わらず、質問内容も神経を使った。「長すぎると(選手が)疲れてしまうかなとか考えつつ、前の選手で聞きそびれた質問を次の選手に聞こうと思うとしゃべりすぎちゃって。うまくはしゃべれていないですけど、昨日よりは今日、今日よりは明日とちょっとずつ慣れてはきた」と前進を感じた。
今年は大会史上最多、23人の日本勢が出場した。上田が初出場した2008年大会は5人だったことを思えば「日本ツアーの底上げと、メジャーで戦うチャンスがかなり広がったと思う」とうなずく。米女子ツアーを主戦場にする選手が増えたことが、日本で戦う選手の刺激に繋がり、「相乗効果というか、いい刺激をし合えている」と分析した。
予選ラウンドを引っ張った渋野日向子、優勝争いを演じた畑岡奈紗らの組を中心に密着し、現地の情報をリポートした。「俯瞰して見ると、戦っているときは分かっているようで、できていなかった部分が見えた」という。上田が注目したのが、選手たちがショットを打っていない時間の使い方。自身も給水したり、心を落ち着かせるために歩くスピードを遅くしてみたりと工夫を凝らした経験がある。観察眼を働かせて「プレー中はいろんな葛藤があったと思うけれど、ショットを打つまでの待ち方や追い込まれたときの行動などに精神的な、心理的なところを感じた」と語った。
日本勢による優勝とはいかなかったが、「見ていて感情移入しちゃうようなゲーム展開でした」と総括した。優勝したネリー・コルダについて、「あんなにダイナミックなゴルフができる選手が忍耐強く、静かにチャンスが来るまで待つこともできれば、それは最強ですよ」と語り、ゴルファーとして純粋な刺激も得たようだ。「現役の時も体力は必要でしたけど、どんな仕事をするにも体力は必要だと思いました!」とリビエラCCでの一週間を締めた。(カリフォルニア州パシフィックパリセーズ/石井操)