「私の夢が始まった場所」でキャリアグランドスラムに王手をかけたネリー・コルダ
◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 最終日(7日)◇リビエラCC (カリフォルニア州)◇6699yd(パー71)
タイトル争いが最終局面に入った17番(パー5)、ネリー・コルダは3m弱のバーディパットを決める必要があると分かっていた。前の組で回るチョン・インジ(韓国)、2組前のギャビー・ロペス(メキシコ)、チャーリー・ハル(イングランド)と通算7アンダーで並んで上がったグリーン。軽いスライスラインを読み切ってカップに沈め、力強く右こぶしを握った。世界女子ゴルファーNO.1のタイトルを手にした27歳は「本当に言葉が見つらない。夢がかなった」と喜びを表現した。
初日に2オーバー「73」の56位と大きく出遅れながら、2、3日目で「67」をマークして一気に優勝戦線に加わった。これも世界ランキング1位の実力が成せる技。キム・セヨン(韓国)と並び首位から出た最終日は、前半はスコアを1つ伸ばして折り返した。じっくりと時を待つように後半もパーを並べ、ようやく巡ってきた勝負所を見極めて「69」でプレー。最終18番のカップ左から180度回るように淵を回転して決まったウィニングパットには思わず目を見開いた。「絶対に右には外したくないと思っていたので、少し左を狙いすぎて引っ掛けてしまった。心拍数を表示する“WHOOP”をつけておけばよかったと思うくらい心拍数は間違いなく高くなっていました」と笑った。
ラウンド中は、「自分は本当に勝てるのかな」と何度も心が揺れたという。それでも自分を信じ、戦い抜いた18ホールだった。「今週は本当にタフな戦いだった。メジャーは耐え抜き、そして、攻められると思える小さな隙を見つけること。忍耐強くパーを拾い続けて、チャンスが来た時にアグレッシブに行く。そういう切り替えが上手くできた」。そう言って胸を張った。
13年前、14歳のときに初出場したときのことを今でも鮮明に覚えている。ニューヨーク州のセボナックGCで行われた2013年大会は、「LPGAでプレーするという私の夢が始まった場所」だった。練習場で懸命にボールを打っていた少女が、夢にまで見たチャンピオンになった。「今こうしてトロフィの隣に座っていることで、まさに現実になったんだなと感じる」と実感を込め、「バケットリスト(死ぬまでにやりたいことリスト)から一つ消すことができた」とほほ笑んだ。
2021年「全米女子プロ」でメジャー初優勝を飾り、24年「シェブロン選手権」で2つ目のメジャータイトルを手にした。そして今回、3つ目のタイトル制覇を成し遂げた。5大メジャーのうち4つを勝つ“キャリアグランドスラム”に王手をかけ、7月「アムンディ エビアン選手権」、8月「AIG女子オープン(全英女子)」を迎える。ただ、いまこの瞬間だけは、特別な勝利の喜びに浸りたい。 (カリフォルニア州パシフィックパリセーズ/石井操)