大物新人から1ランク上のステージへ 竹田麗央が「優勝を見すぎた」メジャーで得たもの
◇女子メジャー第3戦◇KPMG全米女子プロゴルフ選手権 最終日(22日)◇フィールズランチ イースト (テキサス州)◇6604yd(パー72)
いつもの淡々とした口調は変わらない。それでも、竹田麗央は通算7度目のメジャーを23位で終えて確かなものを感じ、持ち帰った。「きのうの反省として、優勝を見過ぎているせいか、逆にもっと思い切ったプレーができなかった」。4日間を振り返って、3日目に喫した日米ツアー自己ワースト「80」がやはり痛かった。22歳は“敗因”を冷静に分析していた。
昨年、メジャー初挑戦の「全米女子オープン」でいきなり9位に入った。そこから残るメジャー3大会にも出場したが、経験を目的とした側面も強かった。昨秋の日米共催「TOTOジャパンクラシック」の優勝を経て米ツアーメンバーとなり、3月「ブルーベイLPGA」でルーキーVを達成。3週前の全米女子では2位を悔しがった。
「去年に比べたら、心持ちはだいぶ変わったと思う。でも、本当に最後まで誰が勝つかは分からないんですけど、なんか(勝手に)気負いすぎたというか、もっと思いっきりやれば良かったなって、きのうが終わってから感じました」。口をつく反省の弁は、無欲で突き進んできた大物新人が、次なるターゲットとしてビッグタイトルを視界にとらえている証拠。メジャーを狙って勝ちに行く選手として、ステージが1ランク上がった印象すら感じさせる。
前日より弱まったとはいえ、風の影響が大きかった最終日は「74」。スコアをまとめたようで、悔しさがにじむ。「やっぱり、パッティングが決まれば、もう少し流れも変わったと思う。上位に行くには、それを決めきらないと」。パー5の1番から100ydほどの3打目をピン横2m強に絡めながら、カップに蹴られてバーディを逃した。2番も2.5mのチャンスを生かせず、3番(パー5)は風で1回仕切り直した後に打った4.5mがカップのかなり手前で左へ切れた。
「強風の中、なかなか自分のストロークを信じて打てなかった。迷いがあるままでは入らないなって」。ひとつ伸ばして折り返した後半にボギーが重なった。16番では「イメージが出ないまま打ってしまった」というアプローチミスからダブルボギー、最終18番もショートパットが蹴られてのボギーフィニッシュだった。
悔しさとともに得たものも多かったメジャー第3戦を終え、次週はダブルス戦「ダウ選手権」(ミシガン州ミッドランドCC)に初出場。昨季日本ツアーで年間タイトルを最後まで争った山下美夢有との黄金ペアを結成して頂点を目指す。(テキサス州フリスコ/亀山泰宏)
