憧れの彼女とPOで… 西郷真央「ジャンボさんに報告を」
◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権 最終日(27日)◇ザ・クラブatカールトンウッズ(テキサス州)◇6911yd(パー72)
メジャー史上最多の5人で争われたプレーオフで、西郷真央は少し感傷に浸っていた。父の影響で5歳でゴルフを始め、中学生時代に「アメリカツアーで戦いたいという気持ちを持ち始めて」本格的に活動を開始。当時、憧れたのが73ホール目で相対したアリヤ・ジュタヌガン。2016年に「全英女子オープン」でタイ人として初めてメジャータイトルを獲得したアジアのレジェンドだ。
米女子ツアーの選手で「最初にリスペクトしたのがアリヤだった。そのアリヤとプレーオフできることも、すごくうれしかった」という。世界屈指のパワーヒッターとして知られる、メジャー通算2勝の元世界ランキング1位。「(試合で)何度か一緒にプレーしたんですけど、ドライバーを使わなくてもオーバードライブされる。本当にカッコイイなと思っていた」という存在に、大舞台で競り勝った。
千葉・麗澤(れいたく)高に入学後、尾崎将司が主宰する「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」に1期生として入門。2019年に「日本女子アマチュア選手権」を制した。「自分の学生時代の基礎を作ったのが、ジャンボ邸での練習」と振り返る。「アメリカでの初優勝がメジャーだとは(尾崎は)まさか思っていないと思う。今でももちろん感謝しています。帰国したら報告に行きたいなと思います」
「シェブロン選手権」は日本ツアーを主戦場としていた2023年に初めて出場。西郷は直前のオフに1Wショットを制御できない症状に悩まされていた。「ティショットにずっと不安を持ちながら、この大会に挑んで予選通過できた(65位)。自信を持って振れるようになったきっかけの大会の一つでもある。そういう大会で優勝することができたのが、すごくうれしい」と不振を乗り越えた実感がいっそう湧いた。
昨年から本格参戦した米ツアーでは、基本的に女性マネジャーと行動をともにする。スポットで現地サポートに協力し、今回の会場には不在だった母の声を、今は聞きたい。「たぶん、泣いて喜んでくれていると思います。結果が良くても、悪くても、いつも私の味方をしてくれたのが両親。本当に感謝の気持ちでいっぱい。優勝することで、いつも支えてくれていることへの恩返しができる。これからもたくさん恩返しできるようにしたいです」と日本の家族に思いを馳せた。(テキサス州ザ・ウッドランズ/桂川洋一)