西郷真央Vで5大会コンプリート 日本人女子メジャー制覇を振り返る
◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権 最終日(28日)◇ザ・クラブatカールトンウッズ(テキサス州)◇6911yd(パー72)
西郷真央がメジャー初制覇を達成した。首位タイから3バーディ、5ボギーの「74」でプレーし、5人が7アンダー首位で並んだプレーオフを勝ち抜いた。1983年にメジャーに昇格した「シェブロン選手権」の優勝により、日本の女子ゴルフ界には5大メジャーのタイトルすべてがもたらされた。
樋口久子 1977年「全米女子プロゴルフ選手権」
1976年に「欧州女子オープン」で日本人選手として初めて米ツアーを制覇。翌年、サウスカロライナ州ベイツリー・ゴルフプランテーションコースで行われた「全米女子プロ」でも男女を通じて初のメジャー覇者になった。
3人が並ぶ首位から出た最終日に「69」で回り、2位に3打差をつけた。当時31歳。久子(ひさこ)から派生したニックネーム、“チャコ・ヒグチ”として一世を風靡した。1996年から2010年1月末まで日本女子プロゴルフ協会会長。現在は顧問を務める。2003年に世界ゴルフ殿堂入り。
渋野日向子 2019年「AIG全英女子オープン」
42年ぶり、史上2人目の快挙を遂げたのは当時20歳、2年前にプロになったばかりの渋野日向子。初体験の海外ツアーで、物おじしないプレースタイルとその笑顔で世界をあっと言わせた。
イングランド・ウォーバーンGCでの最終日を首位からスタートし、一時的に後退しながら、最終18番で6mのバーディパットを沈めて「68」をマーク。1打差で後続を振り切った。外国人記者が名付けた「スマイリングシンデレラ」のニックネーム、ラウンドに駄菓子をほおばる「もぐもぐタイム」でも注目。2022年から米女子ツアーに本格参戦した。
笹生優花 2021年&24年「全米女子オープン」
プロ2年目、2回目の出場だった21年「全米女子オープン」で笹生優花が海外ツアー初優勝。カリフォルニア州オリンピッククラブで畑岡奈紗とのプレーオフを制した。
19歳11カ月17日での大会制覇は08年の朴仁妃(韓国)と並ぶ最年少。二重国籍のため登録上、母の母国であるフィリピン国籍で優勝した同大会から3年後の昨年6月、今度は父と同じ日本国籍で2回目の“女子ゴルファー世界一”に輝く。2位渋野とのワンツーフィニッシュを決めた。
古江彩佳 2024年「アムンディ エビアン選手権」
アマチュア時代に2019年「富士通レディース」で国内女子ツアーを制覇した古江彩佳は2022年から米ツアーに本格参戦。同年7月に「スコットランド女子オープン」で海外初優勝を挙げた。
2年目は未勝利ながら年間ポイントレースで10位にランクイン。3年目の昨季、8回のトップ10入りを引っ提げてフランスでの「アムンディ エビアン選手権」に乗り込んだ。首位に1打差の2位から出た最終日「65」で回り、通算19アンダーで逆転した。
西郷真央 2025年「シェブロン選手権」
2019年の「日本女子アマチュア選手権」女王の西郷真央はプロ3年目の2022年に飛躍。日本ツアーで開幕戦を含む年間5勝をマーク。24年に主戦場を米国に移し、1年目にしてトップ10入り7回を決めて、日本人選手として1990年の小林浩美以来、史上2人目のルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。
2年目のことし、2月の「ブルーベイLPGA」で5位、4月初旬の「Tモバイル マッチプレー」では日本勢としてただひとりグループリーグを突破して9位。メジャー初戦「シェブロン選手権」は首位タイで最終日を迎え、西郷を含めた7アンダー首位で並んだ5人によるプレーオフへ。18番(パー5)で行われた1ホール目で唯一のバーディを奪って勝利を収め、優勝者の大会恒例となっている“池ダイブ”を決めた。