「見えない方がイイんじゃないか」 渋野日向子が暗闇バーディ締めで決勝へ
◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権 2日目(25日)◇ザ・クラブatカールトンウッズ(テキサス州)◇6911yd(パー72)
午後7時56分の日没を過ぎても、順延のホーンはまだ鳴らない。アウトスタートの最後の組から1つ前で回った3サムは、最終18番(パー5)を暗闇の中でプレーした。1Wショットを右に曲げた渋野日向子の3打目は、フェアウェイから残りちょうど100yd。ロフト50度のウェッジで、テントの明かりを頼りにピン手前2m強につけると、バーディパットを見事に沈めてバンザイした。
パッティングに苦しんだ一日を思えば、「見えない方がイイんじゃないかと思うくらい」と締めくくり方を笑う。「(ラインは)見えんちゃ、見えない(見えないと言えば、見えない)。下りかどうかもわからない。遠目から見てもちょっと難しい感じだったんですけど、もう決めるしかないと思って。入ってよかったです」
ホールアウトは午後8時13分。「(同伴競技者の)2人ともプレーが速かったから本当にスムーズに回れたし、奇跡ですよね。(終了時刻が)ありえない時間だったと思います」とプレーを持ち越さずに済んだことを喜んだ。
1オーバー61位から出た第2ラウンド。前半5番までの2ボギー先行から、8mを沈めた6番をきっかけに、2オンに成功した8番(パー5)まで3連続バーディを奪った。
7番(パー3)では、7Iであと少しでホールインワンという一打を披露。スタート前からスイングのキレの良さを感じ、「きのうだったら6Iくらいで打っていたところ。前までならUTみたいな(距離)。それを7Iで打てたのはすごくうれしかった」という。ピン手前5ydにピッチマークを作り、カップのそば10cmで止まるスーパーショットに胸を張った。
後半12番(パー3)の3パットで3つ目のボギー。通算1オーバーで、カットラインには1打の余裕があったが、油断できたはずがない。ドラマチックなフィニッシュで4バーディ、3ボギーの「71」。通算イーブンパーとして「とりあえず予選通過ができた。今、最低限のレベルをクリアできた」と納得。週末もプレーできることがうれしい。
この日のグリーン上の苦悩は18ホールで「34」パットという数字にも表れた。「あしたはもっとパッティングでバーディを獲れるように。まだまだ上位に行けるチャンスはあると思っているので頑張ります」。暫定40位でも、首位とは7打差だ。(テキサス州ザ・ウッドランズ/桂川洋一)
