チャーリー・ハルのタバコ&スマホはあり? “ルールブックに載らない”ルール
◇米国女子◇ファウンダーズカップ 最終日(9日)◇ブラデントンCC(フロリダ州)◇6465yd(パー71)
今季初のフルフィールドイベントとなった「ファウンダースカップ」の火曜日、竹田麗央は練習ラウンドをしようと10番ホールに向かった。ティイングエリアに海外選手のバッグがある以外、人の気配はない。スタートの準備をしていると、キャディのディーン・ハーディン氏がトーナメントオフィスから帰ってきた。
「ダメ。今の時間、10番からは出ちゃダメだって」
時刻は午前10時。ハーディン氏が確認したのは練習ラウンドのスタートに関するルールだった。LPGAツアーでは、朝8時30分~11時は10番から練習ラウンドを始めてはいけない、という規定があるのだ。
その後、10番に置かれていたバッグの持ち主が戻ってきた。ディーン氏が「スタートできないみたいだよ」と話すと、その選手もティイングエリアを後にした。竹田と同じルーキーだったのではないだろうか。
“ローカルルール”的と言えるかもしれないが、この規定は各大会で配布される「ファクトシート」に記載されている。違反してもスコアに影響はないが、罰金が科せられる。
細かなルールは試合中にもある。代表的なのは「試合中は携帯電話を使用してはいけない」だ。ところが大会3日目、吉田優利と同組だったチャーリー・ハル(イングランド)が3番ティイングエリアで堂々と携帯電話を取り出している。規定違反では? と周囲のメディアも疑問に思った。
厳密に言えば、試合中の携帯電話の使用は「1.緊急の連絡を要する場合」、「2.スコアなどを確認する場合」の2例のみ認められている。そのため携帯を見ているだけでは、すぐに規定違反とは言えない。もちろんスイング動画を見たり、コーチと連絡を取ったりすれば違反となる。過去には男子ツアーの選手が試合開始早々にクラブを折ってしまい、代わりをツアーレップに用意してもらうため、わざわざトイレに行って連絡をしたこともあった。実に繊細なルールなのである。
ところでコースで携帯を使ったハルは、今度は堂々とタバコをくわえてプレーに向かった。近年、フェアウェイ内での喫煙はほめられた行いではないと認識されているが、LPGAツアーでは「未だに特別な禁止規定はありません」(ルール委員)。同伴競技者の隣で紫煙をくゆらせても、お咎めはないのだ。(JJ田辺カメラマン)