研ぎ澄ませる試合勘 吉田優利は米ツアー2年目初戦に笑顔「“よい”と思います」
◇米国女子◇ファウンダーズカップ 最終日(9日)◇ブラデントンCC(フロリダ州)◇6465yd(パー71)
ルーキーとして挑んだ昨季の米ツアーで、吉田優利の初戦は3月下旬だった。出場優先順位でタイやシンガポールといったフィールドが絞られるアジアシリーズのボーダーラインが遠かったことに加え、じっくり練習に時間を割いてシーズンに備えていたからだ。
「でも、やっぱりゴルフとか試合をやった方がいいかもなーっていうのが、今年のひとつのテーマでもあって。もちろん質も大事ですけど、とにかくやってみたりとか、行ってみたりとか、そう思って初戦に来ました」。積み重ねた練習に後悔はないが、出場機会が限られ、思うようにポイントを獲得できなかった序盤戦がシーズンの流れを大きく左右した面もあった。シードを獲得できず、再びタフな最終予選会をくぐり抜けて迎えた今季は、苦い経験も武器として戦うことができる。
4日間、ハーフでオーバーパーを打ったのは2ホールで3つ落とした初日の前半だけ。2日目以降はボギーも1ラウンド1個にとどめた。「風がどれだけ自分の球と当たるかとか、バンカーからスピンがどれくらいかかるかとか、(初日の前半は)やっぱり全然つかめていなかったと思う。そこがホールを重ねるにつれて良くなっていった点かな」。試合勘やゲーム運びともいうべき部分は、やはり実戦の中で研ぎ澄まされていくとうなずく。
最終日、唯一のボギーを喫した9番(パー3)も象徴的なシーンといえた。グリーン手前に外し、土手の下からパターで転がし上げる寄せを試みた。右手前に切られたピンまで、アプローチの落としどころがなかった状況で瞬間的なジャッジ。ライ次第で違う選択もあり得た。微妙な距離のパーパットは外れたが、「(ジャッジの面で)そんなに悪くないボギーだったんじゃないかな。ティショットは良くなかったですけど」
初日88位と出遅れながら、徐々に順位を上げて通算7アンダー23位でフィニッシュ。「“よい”と思います。やっぱり去年よりは全然いい状態だし、こういう風にゴルフをしていけば、もうちょっとチャンス待ちができたり、もうちょっと上で争えるんじゃないかなと思います」と笑顔で話す。
序盤戦でひとつのターゲットになるのが、今季ポイントランキング上位者の資格で4月のメジャー「シェブロン選手権」(テキサス州ザ・クラブatカールトン・ウッズ)に初出場すること。次戦は3月6日開幕の「ブルーベイLPGA」(中国・鑑湖ブルーベイGC)を予定。アジア3試合のうち、フィールドに入れる貴重な機会を逃さない。(フロリダ州ブラデントン/亀山泰宏)