ソレンスタムと“叔母トーク”も デビュー戦でトップ10入りの竹田麗央が覚えた英語は
◇米国女子◇ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ 最終日(2日)◇レイクノナG&CC (フロリダ州)◇6624yd(パー72)
前日のプレー後、竹田麗央にビッグサプライズがあった。発表された最終日のペアリングを確認すると、アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)と同組。ツアー通算72勝のレジェンドはセレブリティ部門で出場。「小さい頃から名前を知っている有名な選手。一緒に回れる日が来ると思っていなかったので、すごくビックリしました」と緊張すら覚えた。
いまなおオーラを放つ54歳に意を決して話しかけたのは、ショートホールのティイングエリアで前の組のプレーを待っていたタイミング。「叔母の話をしました」。米ツアーでもプレー経験のある平瀬真由美が、母・哲子さんの妹だと明かして“自己紹介”した。近況を聞かれ、ツアーのテレビ中継で解説の仕事をしていることをマイクを持つしぐさとともに伝えた。「ホントに貴重な一日だったと思います」とかみしめる。
超大物との同組競演だけでなく、プレー内容も濃かった。低く出したバンカーショットをうまく寄せながら、パーパットが蹴られた前半3番でボギーが先行。それでも、続く4番(パー3)で右手前ピンの狭いエリアを攻め込んでバウンスバックを決めた。
「(序盤のショットは)修正ができるミスだったので、そこで発見があった。次のショートホール(4番)のティショットは、そこまで納得がいくものではなかったけど、許容範囲内に収まっていた。こんな感じでやればいいかなって」。振り切りが弱いと感じたポイントを、ラウンドを通して徐々に自らのスイングに落とし込んでいく修正力。9番(パー5)からハーフターンを挟んで3連続バーディを奪うと、15番(パー5)からも2連続で獲った。
2日目に続く「68」で通算11アンダーに伸ばし、ツアーメンバーとしてのデビュー戦を8位で終えた。「ちょっときのう(71)がもったいなかったんですけど、トップ10で終われたのはすごく良かった。(自己採点は)80点くらいです」と充実感もにじむ。
未知の環境で直面する苦労も含め、全てを経験と割り切って挑む新天地。今週バッグを預けたディーン・ハーデンさんとのやり取りで覚えた英語は、「up to you(任せるよ)」だったという。プレー中にキャディに聞くのは風の読みと番手の相談くらいで、基本的には自分で即断即決するのが日本ツアーで貫いてきた竹田のスタイル。耳慣れない異国の言葉であっても、背中を押してくれるフレーズはやっぱり心地いい。(フロリダ州オーランド/亀山泰宏)