山下美夢有が独走でトップ通過 岩井ツインズ、吉田優利、馬場咲希も突破/米女子最終予選会
2024年 Qシリーズ
期間:12/05〜12/09 場所:マグノリアグローブGC(アラバマ州)
トップ通過の山下美夢有は「通ればOK」だった ルーキーイヤーの拠点探しへ
◇米国女子◇Qシリーズ・ファイナルクオリファイイング(最終予選会) 最終日(10日)◇マグノリアグローブGC クロッシングコース(アラバマ州)◇6664yd(パー72)
有言実行…ではあるけれど、本音は少し違った。「トップ通過できたのもうれしく思います。(でも、)予選会を通ればOKだと思っていたので」。山下美夢有がやっと笑った。悪天候の影響で順延された前日を含む6日間の長丁場に「やっと終わった…終わってくれたって感じです。長かった…」。90ホール通算27アンダー。2位の岩井千怜に6打差をつける“圧勝”にも、ツアーカードを獲得できたことが何よりもうれしかった。
1981年の森口祐子、89年の小林浩美、2005年の宮里藍、17年の畑岡奈紗以来、日本勢では5人目の最終予選会トップ通過者に。渡米前からターゲットとして公言したのは、「とりあえず目標を高く設定していた」からだった。2日間かかった最終ラウンドは最終組で回り、8バーディ「64」。平然とベストスコアをマークし「最終日も変わらずノーボギーで回りたいと思っていた。こんなにたくさんバーディを獲れるとは」と納得した様子で語った。
2022年、23年と2年連続で日本ツアーの年間女王に輝き、10月以降にようやく1勝目を挙げた今季もメルセデスランキング2位で終えた(シーズン2勝)。むしろ、今年のハイライトは海外のビッグイベント。6月の「KPMG全米女子プロ」で優勝争いの末に2位、メダルを逃した8月の「パリ五輪」でもメジャーの活躍がフロックでないことを証明した。
思えば年の初めは、米ツアーへの想いは「少しありましたけど、そんなにめちゃくちゃ…っていう感じじゃなかったんです。40%くらい」だったという。「でも、シェブロン(4月のメジャー・シェブロン選手権)とかに出て、コースがすごく難しくて、それがすごく楽しくて。さらにレベルアップした姿で勝ちたいという気持ちになった」と次の挑戦を決めた。
視線はすでに米国の地図の上にある。米ツアーにはホテル住まいを繰り返す日本勢も多くいる中、山下は早々に本拠地を設けるつもり。「オフのときも練習できる環境が私は大事かなって。日本でも私は(試合後、自宅に)一回帰って切り替えるようにしている。環境が変わっても、それでやろうかなと思います」と数々の実績を生んだスタイルを継続する。
「これはやっぱり通過点。1年目はですごい緊張もあると思う。しっかり準備をして、難しいコースを攻略したい。それがすごく楽しみ。良い成績を出して、優勝したいです」。小さな女王が満を持して最高峰の舞台に立つ。(アラバマ州モービル/桂川洋一)