最終予選会初挑戦の岩井姉妹 もしも“職場”が日米で分かれたら…
2024年 Qシリーズ
期間:12/05〜12/09 場所:マグノリアグローブGC(アラバマ州)
「自分のことより2人で通れたのがうれしい」岩井姉妹がそろって米ツアーへ
◇米国女子◇Qシリーズ・ファイナルクオリファイイング(最終予選会) 最終日(10日)◇マグノリアグローブGC クロッシングコース(アラバマ州)◇6664yd(パー72)
アマチュア時代、日本の下部ツアー、レギュラーツアーを共に歩んできた岩井姉妹が、今度も足並みをそろえてステップを踏む。次の目的地は米国だ。双子の妹・千怜が通算21アンダーの2位、姉の明愛は16アンダー5位で最終予選会を通過し、来季の米女子ツアー出場権を獲得した。
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千怜はフォールズコースから出た初日を6位でスタートし、2日目に2位に浮上。「62」をマークして20アンダーの単独首位に立った4日目も、トップ通過への欲はわかず、明愛とそろって合格することだけを求めた。
「71」で終えた最終ラウンド。悪天候順延による前日未消化の16ホールを回った最終日は「闘争心をつくるのが難しくて、今後は気持ちをもっと持っていきたいなと思いました」と課題を持ち帰った。「本当にやっと終わってくれたので『ああ…』という感じ。(疲れは)精神的なものですね。体力はまだ大丈夫。脳を使った印象があります」
明愛もクロッシングコースで11位発進を決めてから、毎日アンダーパーをマークした。4日目に「63」で回り7位で迎えた最終ラウンドは「70」だった。上位25位までの通過ラインとストローク差が多くあったとはいえ、合格を確信できたのは90ホール目。「最終ホールのバーディパットを打つときくらいに『さすがに大丈夫かな』と思いました」
ともに国内ツアーで3勝ずつをマークした今季、メジャーで海外に遠征するたびにゴルフ以外の文化にも触れた。米国ではMLB、英国ではテニスのウィンブルドンを観戦。今大会の直前もルイジアナ州に立ち寄り、NFLの試合を楽しんでから東のアラバマ州に入った。本格参戦で米国生活はもっと楽しくなる。
苦しい時も、いつも隣にいる存在が頼もしい。「自分のことより2人で通れたことが一番うれしい。一緒に行けるのが心強い。世界の人に岩井明愛、岩井千怜を知ってほしいと思います」と妹が言えば、「注目してもらえたらうれしい。そのためには自分たちが結果を出していかないといけない。変わらず頑張ります」と応じた。
米女子ツアーで姉妹優勝を達成したのはアニカ(72勝)とシャーロッタ(1勝)のソレンスタム姉妹のほか、モリヤ(3勝)とアリヤ(12勝)のジュタヌガン姉妹、ジェシカ(6勝)と現在の世界ランキング1位・ネリー(15勝)のコルダ姉妹。リストに双子はまだいない。(アラバマ州モービル/桂川洋一)