「今の自分」との格闘 吉田優利が最終予選会に託す希望
2024年 Qシリーズ
期間:12/05〜12/09 場所:マグノリアグローブGC(アラバマ州)
「やること変わらない」最終予選会で際立つ山下美夢有の存在感
◇米国女子◇Qシリーズ 事前情報(4日)◇マグノリアグローブGC(アラバマ州)◇クロッシングコース(6664yd、パー72)、フォールズコース(6643yd、パー71)
最新世界ランキング14位は、フィールドでもちろん最高位にいる。国内ツアーで2023年までに2年連続の年間女王を戴冠。その座を竹田麗央に譲った今季もメルセデスランキングを2位で終えた。ギャラリーがほとんどいない、殺伐とした雰囲気の予選会会場で、山下美夢有の存在感は際立つ。
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海外では今年、2位に入った「KPMG全米女子プロ」をはじめとするメジャー5大会で4回決勝ラウンドを戦った。涙の4位に終わった「パリ五輪」も、もちろんハイライトで、米ツアー挑戦を決めた理由のひとつになった。「(海外で)いけるなと思えた部分も少しありました。でも足りない部分もまだまだある。課題を感じながらの一年だった。最後、この予選会を良い成績で終わりたい」。開幕前日に早くもツアーから取材を受けるなど、勝負の5日間を前に、小さな体には風格すら漂う。
予選会受験は日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストに合格した2019年以来。57位と振るわなかった5年前の記憶は「めっちゃ緊張したイメージしかないです(笑)」と断片的ではある。「でもプレーしたら、もうあまり考えることはなく、いつも通り。その時はその時と、もうやり切ることしか考えていないです」と結果は後からついてくるものと割り切っている。
今季の2勝は10月「富士通レディース」、11月「大王製紙エリエールレディス」といずれもシーズン終盤戦にあげた。「今年は調整ができなかったというか、完ぺきに仕上がったという試合がなかなかなかった」。準備段階から苦戦が続いたことを考えれば、「海外に来るたびに体調を崩すことが多くあったんですけど、今回は良い状態で迎えられている。あとは迷わずにしっかり打つのが大事」という現在のコンディションは好材料に違いない。
2コースを使用して競われる90ホール完了後、上位25人がメンバーシップを獲得し、来季の限定的な出場機会を得られる「カテゴリー14」に入る。どれほど輝かしい実績をぶら下げてこようが、他選手と同じスコアからスタートする長丁場。「5日間は長い。どれだけボギーを少なくするかも重要。しっかりコースマネジメントをして、チャンスが来たらバーディを獲るプレーができたら。やることは変わらない」。実力が普段通りに出せれば、おのずと米ツアーへの扉は開く。(アラバマ州モービル/桂川洋一)