渋野日向子「去年よりは清々しい」 米ツアー3年目のシーズン閉幕
◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 最終日(17日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6349yd(パー70)
5アンダー17位から出た渋野日向子は2バーディ、4ボギー1ダブルボギーの「74」で回り、通算1アンダー34位で今大会を終えた。年間ポイントランキング62位から、次週の最終戦「CMEグループ ツアー選手権」に進める60位以内への浮上を目指したが、64位に後退して2024年シーズンも終了となった。
「縦距離が合わなくて」という前半は、風とグリーンコンディションによりクラブ選択に悩まされながらのプレーだった。イーブンのまま耐えながら折り返した後半、「すごくもったいない」と少しずつリズムが狂い始める。12番(パー3)でボギーを喫すると、その後も3つスコアを落とし、「もう少し集中して自分のゴルフができたら。色んな感情に惑わされながらやっちゃった」。落ち着いてプレーできていた前日までとは違うスイング、プレースピードを悔やんだ。
それでも、1年前に喪失したフルシードを今年は取り返した。3月の出場2戦目から4試合連続で予選落ちしたが、4月のメジャー初戦「シェブロン選手権」で出遅れながらも2日目の「69」で決勝に進み、翌月のメジャー第2戦「全米女子オープン」で2位フィニッシュ。さらにメジャー第3戦「全米女子プロゴルフ選手権」でも7位に入り、大舞台でポイントを稼いだ。
昨年と比べて「去年よりは清々しい気持ち」はある。ただ、不満顔なのは、もちろん「最終戦に行けなかった」ことが尾を引いている。「一つひとつを見れば確かに去年よりは良いとは思うけど、結果だけを見たらシードを獲れました、ぐらい」と厳しい評価をつける。「去年の今ごろに比べたらドライバーの距離は全然違うし、今日もすごく振れている感じはあるからこそ、その分もったいないと感じる内容」と考える。
今年は上田桃子らのコーチでもある辻村明志氏にアドバイスをもらいながらスイングを見直してきた。今週は好感触をつかんだ部分もあるが、「まだまだ。忘れるし、良い動きを思い出せなくなる。そういうのをちょっとずつ減らしたいし、何が理想のゴルフか、何が理想の球筋かはまだ自分の中でちゃんと明確に決まり切っていないのがこの結果かなと思う。しっかり自分の中で決めきりたい」と理想のスイング、球筋への道のりは長い。
オフでやりたいことはもう頭の中にある。8月の「スコットランド女子オープン」では左股関節からでん部にかけて痛みが走り、棄権をするなどシーズンを通して万全な体で臨めなかった。「色々あるけど、体をちょっと鍛えないとなって。去年もケガをしましたし、今年も気になるところはあった。しっかり基礎体力をつけていかないといけない。ゴルフに関してもだけど、しっかり納得のいくオフを過ごせるようにしたい」と来季を見据えた。
目標は「優勝」になる。「なかなか言える状態ではないぐらい自信はないですけど、やっぱり勝ちたい。メジャーであろうが今週のような試合であろうが、やっぱり勝ちたい。その準備を、頑張りたい」と目線をしっかりと上げる。「まだまだ伸びしろはたくさんだなと感じる。頑張らんといけん」と笑顔で米ツアー3年目を締めた。(フロリダ州ベルエア/石井操)