岡山の祖母から「笑顔でやりなよ」 回復途上の渋野日向子が日本で貫いた姿
◇日米女子ツアー共催◇TOTOジャパンクラシック 最終日(3日)◇瀬田GC 北コース (滋賀)◇6616yd(パー72)◇晴れ(観衆5376人)
最終9番、渋野日向子は2.5mほどを沈めて何とかパーで締めくくった。今週3ラウンドでは最も良い「70」でも、トータルでは3アンダー47位でのフィニッシュ。上位は遠かろうと、最後まで背中は丸めなかった。
「ちょっとやっぱり、気持ち的にも“ズン”となっていた時期があったので。ここ(日本)で気合入れないと…と思っていた。結果には出ていないですけど、ホントに3日間楽しんでできた部分は、最近なかったので。結果(順位)よりも良かったのかな」
9月末の「ウォルマート NW アーカンソー選手権」を終えて一時帰国した後、オープンウィーク期間中に体調に異変を感じており、3週前の「ビュイックLPGA上海」ではカップに入ったボールを拾うのも大変なほどの状態だった。翌週韓国での「BMW女子選手権」は開幕前日に欠場し、復帰戦で思った以上に身体が動いてくれたのは前を向ける要素。チームスタッフら周囲のサポートにも感謝を口にする。
韓国から戻って岡山の実家で静養。前週末に軽くウェッジを打つ程度の練習が目いっぱいだった中で、滋賀へ向かう前に祖母から言われた。「笑顔でやりなよ」――。今季最後となる日本でのプレー。満足いくプレーではなくても、うつむく姿を見せることだけはしたくなかった。それを後押ししてくれる母国のファンの声援にも「デカすぎますね」と思いがにじむ。
出だし10番で10mを流し込み、13番と18番のパー5ではウェッジショットをピンに絡めた。フェアウェイキープ率42.85%(6/14)とティショットの安定感はまだまだだが、5mほどのチャンスから打てるシーンは増えた。「打てれば入るっていうのも多かったのかなと思いますけど、引き続きショート、ショートで…。すごい残念でした」と苦笑した。
グリーン上のライン読みでは依然として完全にしゃがむことはできず、回復途上にある。ポイントランキングは58位に後退し、最終戦進出ラインの60位を気にしながら6日(水)開幕の「ロッテ選手権」(ハワイ州ホアカレイCC)に臨む。4月開催だった2年前には優勝争いを演じて2位に入ったコース。その翌週「アニカ driven by ゲインブリッジ」(フロリダ州ペリカンGC)を含め、「まだまだ最終戦に出られるか分からない。(まず)2試合を全力で頑張らないと」と自らを鼓舞して米国に飛ぶ。(滋賀県大津市/亀山泰宏)