“実力主義”も西郷真央は味方に 好成績連発でルーキーの待遇も変化
◇米国女子◇メイバンク選手権 初日(24日)◇クアラルンプールG&CC(マレーシア)◇6536yd(パー72)
初日は2週前の優勝者で世界ランキング4位のイン・ルオニン(中国)、前週に今季3勝目を飾ったばかりのハンナ・グリーン(オーストラリア)とのペアリング。ここまで未勝利ながら好成績を連発する西郷真央は、まさに注目組に入る形となった。
昨年末の最終予選会(Qシリーズ)を突破して限定的な資格からスタートしたルーキーシーズンの序盤なら考えられなかったこと。「それはすごく感じます。きょうもすごくいいペアリングで回らせてもらった」と感謝する。米本土の試合では開幕前日のプロアマで極端に遅いスタート時間に入った翌日が早朝のティオフということもざらだった。「バタバタしちゃって、気持ちも身体も休まらない。難しいかなというところもありました」と振り返る。
変則的なスケジュールが減れば調整はしやすくなり、状態のいい選手と回ればゴルフが研ぎ澄まされていくケースもある好循環。「こういう成績を続けて、そういった“運”も自分の味方にできたら」と自らの実力でつかんだポジションを確固たるものとすることを誓う。
初日のプレーは、直近の優勝者である同組2人を引っ張るかのような圧巻の内容だった。1番こそバンカーからのセーブとなったが、2番から2連続バーディを先行。5番(パー5)、6番とショットを絡めて獲ると、7番は14mほどの超ロングパットを沈め、8番(パー3)まで4連続バーディをつないだ。後半も2度の2連続バーディと勢いは衰えず、10バーディ、1ボギーの「63」。ほとんどが4mほどで、シンプルなラインにつくチャンスを逃さなかった。
好調を支えるショット面だが、実は「きょうはちょっと違和感がありつつでした」と明かす。それでも、1Wを使うシーンが少ないコースということもあり、5Wなどで試合中に自らのスイングを整えながらプレーすることで、終盤にかけてフィーリングも良くなっていったとうなずく。ティショットが右に出て唯一のボギーを喫した17番も「自分の中でちょっと中途半端なことをやってしまった。どっちかと言えば、マネジメントが悪かった」と消化できている。
米ツアー初の首位発進。「結果よりも、自分が納得いくプレーを積み重ねていけるように」。ショットメーカーとして自らのゴルフが貫ければ、初優勝も、トップを走る新人賞のタイトルも必ずつかめると信じている。(マレーシア・クアラルンプール/亀山泰宏)