シャッター音にめげずミラクルショットも悔しいダボ 西郷真央「さすがにあれは…」
◇米国女子◇BMW女子選手権 最終日(20日)◇水原バレーCC (韓国)◇6680yd(パー72)
西郷真央の潤んだ瞳に様々な感情が入り混じっていた。その全てを詰め込んだような最終18番。1Wショットが大きく右に出た。「ティショットでカメラの音が…。さすがにあれはスイング中だったので、ちょっとあれは、イラッとしちゃいました…」。スマートフォンでシャッター音を鳴らすギャラリーのマナー違反に、必死に言葉を選びながら思いがにじんだ。
右サイドのブッシュに飛び込んだボールの発見は絶望的と思われたが、同組だったナンナ・コルツ・マドセン(デンマーク)のキャディが見つけてくれた。アンプレヤブルを宣言し、崖を上って後方線上となる10番ホールのフェアウェイからのショットを選択。残り255ydから5Wで放った3打目は、まさにミラクル。グリーンにキャリーし、カップ右をかすめるように上10mほどについた。しかし、そこから返しのボギーパットも外してのダブルボギーフィニッシュに悔しさがあふれる。
この日フェアウェイを外したのは、その18番だけ。コロコロ変わる風向きに対しても「ラインに出せている感覚は4日間で一番良かった」と振り返る。6打差を追ったスタートから3ホールで2つ伸ばした直後、4番(パー3)で3パットボギー。一度は勢いが止まりかけ、9番で足をひねって痛めるアクシデントにも歯を食いしばった。サンデーバックナインで一時は首位と3打差まで迫ったが、通算13アンダー12位で終えた。
「(惜しい)リップアウトがなかったら、(優勝に)全然届いていたスコアだったと思う。やっぱり、決めきれなかったのがもったいなかった」というパッティングの課題は、ルーキーとして何度も演じてきた優勝争いで実感してきた部分。ただ、この日に関しては「自分的にミスパットはなかった。2日目にはミスパットが多いと思った中で、きのう今日と自分の納得いくストロークができていた。あとはちょっとした読みだったり、スピード感を合わせられたら」。積み重ねてきた惜しい戦いを糧にして、頂点へと迫っている感覚はある。
トップを走るルーキー・オブ・ザ・イヤー争いはもちろん、1年目での初優勝へ。次週24日開幕の「メイバンク選手権」(マレーシア・クアラルンプールG&CC)でも上だけを見て戦う。(韓国・坡州市/亀山泰宏)