2024年 AIG女子オープン(全英女子)

ライオンの口、校長の鼻…112個のバンカー/いまさら聞けないセントアンドリュース(4)

2024/08/23 15:47
しばしば悲劇の舞台ともなるポットバンカー

女子ゴルフの最高峰、メジャートーナメントの2024年最終戦「AIG女子オープン(全英女子)」が22日(木)に始まりました。今回は2013年以来11年ぶり3回目となるスコットランド・セントアンドリュース オールドコースでの開催。いまさら他人に聞けないポイントをおさらいします。

オールドコースに代表される海辺や河岸の砂地を土壌にするリンクスは、基本的に高低差が少ないフラットなつくりとなっています。特徴として挙げられるのが、ポットバンカー。ぽっかり空いた落とし穴のような形状で、もともと砂丘などで羊と羊飼いの風よけとして掘った穴が起源です。深さに加えて芝生と砂を重ねてつくられた“壁”が地面から垂直に近い角度でせり上がり、出すことすら難しいケースがあります。

オールドコースにはポットバンカーを含め、大小さまざまな合計112個のバンカーがあり(ちなみに1番と18番にはバンカーがありません)、それぞれにライオンの口、校長先生の鼻…といった愛称がつけられています。

2000年「全英オープン」で優勝したタイガー・ウッズ選手が4日間で一度もバンカーにつかまることなく優勝した話は有名。一方でその難しさゆえに“悲劇”の舞台となることもしばしば。

日本人にとって最もなじみ深いのは、名物ホール17番のグリーン左手前にあるロードホールバンカーではないでしょうか。1978年全英の3日目、首位タイだった中嶋常幸選手が「9」をたたき、優勝争いから後退。ニックネームにちなんで「トミーズバンカー」とも呼ばれるようになりました。

11番(パー3)のグリーン手前にある深いヒルバンカーは、伝説の選手も餌食となっています。生涯アマチュアとしてプレーし、史上初の年間グランドスラムなど金字塔を打ち立てた“球聖”ボビー・ジョーンズ選手。1921年全英の3日目、このバンカーから脱出に失敗したジョーンズ選手は手でボールを拾い上げ、スコアカードを破り捨てたと言われています。

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