苦手なはずの潮の香りもいい感じ? 「ディズニーの気分」小祝さくらは聖地にテンションアップ
◇女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 事前(19日)◇セントアンドリュース オールドコース (スコットランド)◇6784yd(パー72)
小祝さくらにとってコースに来るだけでテンションが上がる機会は、そうそうないかもしれない。初めて訪れたゴルフの聖地・セントアンドリュースは歴史ある街の雰囲気にリンクスコースが溶け込み、プレー前からワクワクするような感覚がある。「全米女子オープンとかとは、また全然違う。街の雰囲気もすごくて、来る途中から(チーム)みんなで盛り上がって、ディズニーランドみたいな気分」と笑った。
ホールを進んでいくと、目の前に北海が広がるコース。「借りている家も海のすぐ近く。自分、海の匂いがあんまり好きじゃないんですけど、こっちにいるとなんかいい感じがします」。苦手なはずの潮の香りも、なんだか悪くないように思えてくるから不思議だ。
全英女子の開催は2013年以来。頭の中にあるイメージは、直近で2022年に行われた男子の「全英オープン」だという。「16番は見ていて難しそうだなとか、タイガー(ウッズ)が橋(スウィルカン・ブリッジ)を歩くところとか…」
“トミーズバンカー”脱出は失敗
1978年大会の3日目、首位タイだった中嶋常幸が脱出に4打を要して「9」をたたき、優勝争いから脱落した17番の“トミーズバンカー”もこの日初めて体験した。「一発で出なかったです。出なかった後の方が“へり”にくっついて、もう横に出すしかなくなっちゃう」。由緒あるコースに潜む“ワナ”を垣間見た。
18ホールを歩いてチェックした前日は、イン9ホールを回ったこの日以上に強風が吹き荒れて驚くばかりだった。2ホールでつながっているダブルグリーンなど、日本ではなかなかお目にかかれないスケール感にも「フェアウェイも交差していたり、(隣接ホールからの)打ち込みとか、メッチャ危ないホールがありますよね」。心配そうに話しながら、どこか楽しそうだ。
6月「全米女子オープン」では優勝した笹生優花と最終日を一緒にプレーして9位。日本ツアーを代表する選手として海外でも結果を残したが、自然体を貫く。「(メジャーへの意識は)全然変わらなくて。今回も初めてのコースで新鮮だなって気持ちしかない。まずは予選通過を目標に頑張りたい」と謙虚にほほ笑んだ。(スコットランド・セントアンドリュース/亀山泰宏)