“脳内カットライン”との攻防 畑岡奈紗は薄氷の通過
◇米国女子◇ISPS Handa スコットランド女子オープン 2日目(16日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6563yd(パー72)
今週はコース内に上位数人のスコアをはり出すリーダーボードがあるだけで、各組について歩くボランティアもキャリングボードを持っていない。スコアの動きに関して得られる情報が少なく、選手たちはカットラインも分からないまま、予選通過が懸かる2日目に臨んだ。
ボーダーライン上の通算4オーバーで決勝ラウンドに滑り込んだ畑岡奈紗もそうだった。「全然分からなくて。でも、4(オーバー)かなって思っていました」。脳内で線引きしたスコアをクリアするために必死だった。
前半からバーディとボギーが入り混じる展開だったが、後半に苦しんだ。3番(パー5)で2mのパーパットを決めてしのいだ直後、4番(パー3)は強烈なアゲンストでティショットを右手前に外し、段の上に切られたピンへのアプローチもわずかにオーバー。微妙な距離がひと筋外れてスコアを落とすと、7番でもボギーが出て通算4オーバーと追い込まれた。
8番は右ラフからのセカンドが何とかグリーン右端にかじりつき、ロングパットを2打で切り抜けてパー。アゲンストの風で上りのラインだったファーストパットは想像以上に重く、1m弱ショートした。日没が迫り、「ラインもよく分からない感じでした」と苦笑しながら拾った1打に価値がある。
風の中で4日間を回れることにより、試合の1プレー1プレーが結果的に次週のメジャー最終戦「AIG女子オープン」(全英女子)に向けた準備にもなる。右からの風に“けんか”させるようなショット、立ちづらさを感じるほどの強風下でのパッティングのスムーズな始動…。テーマを持って週末を戦う。(スコットランド・アーバイン/亀山泰宏)