“身体”と“イメージ”を整える 渋野日向子「イギリスは自分にとっていい場所」
◇米国女子◇ISPS Handa スコットランド女子オープン 事前(14日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6563yd(パー72)
2週前の日本ツアー「北海道meijiカップ」を終えた渋野日向子は久々に日本でゆっくりすることができた。7月「アムンディ エビアン選手権」前に米国から帰国して1週のオープンウィークを挟んだ時は「全然疲れが取れなかったというか、余計に疲れたっぽかった…」と苦笑する。
今季初だった日本でのスポット参戦が予選落ちで終わったことは今でも悔しいが、その後の1週間でトレーニングもしつつ、フレッシュな身体で主戦場へ戻ってこられたことは大きい。「『一番身体が動いてるな』っていうのが朝の練習。(時間の経過とともに)だんだん疲れて、『動きわりーな』『飛ばねーな』っていうのがあった」。最近感じていた傾向は、エビアン以降の日米4試合で51位→53位→48位→予選落ちの結果にもリンクする。
蓄積疲労によるフィジカル面の変化とも関連して、2位となった6月「全米女子オープン」時と比べてゴルフでも気になる点があった。「USオープンの時とは自分が打っている球の質が違いすぎて、だんだん狂ってきて…。『meiji』の時とか、ホントに全然ショットの“イメージ”が湧かんな…みたいな。エビアンから後は、そういう感じだった」
ターゲットに対する身体の向き、構えがピタリとそろって「こういう飛ばし方ができそうだな」とイメージできるのが理想的な状態。目の前の一打への自信につながる部分で、苦戦が続いたシーズン序盤には練習段階からできていなかったことでもある。6月のメジャー2戦で好成績を収めた後は試合で再びズレが生じてきた感覚もあったが、「ちょっとずつ整えてきて、1週間のオフで自分の中ですごく整理できたかなとは感じる。完璧とは行かないですし、試合でできるか分からないですけど、明らかに前よりはいい感じだなとは思えた」。少しポジティブな言葉を並べられる。
前年大会は8バーディ、ノーボギー「64」のロケットスタートを切り、予選ラウンドを首位通過した。「よくこんな(難しい)コースでスコアが出たなって。ナゾ、いまだにナゾ、マジでナゾです」と笑いながら、2019年「AIG女子オープン(全英女子)」の優勝から始まった英国との“縁”に思いもにじんだ。「自分にとって、スコットランドというか、イギリスはいい場所ではあると思う。いい感情で回れたら」とうなずく。
悪天候が見込まれる初日へ「非常にイヤだ…」と苦笑いで首を振っても、ショットのイメージ作りを大事にするテーマは不変だから腹をくくる。「そこ(イメージ)だけは研ぎ澄ませてやらないといけないですね」と力を込めた。(スコットランド・アーバイン/亀山泰宏)