スイング模索中の笹生優花は3日間伸ばせず「勇気を出してやるしかない」
◇パリ五輪 女子 3日目(9日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇6374yd(パー72)
左ピンを狙いたいはずの前半8番(パー3)、笹生優花はティショットを右手前に外すと珍しくいら立ったようなアクションを見せた。段を下るアプローチをピタリと寄せてしのいでも、ショット面のもどかしさが消えるわけではない。
この日はパープレー「72」。いずれもオーバーパーだった2日間を考えれば今週自己ベストとはいえ、ジャンプアップにはつながらない。メダル争いに絡めず、通算7オーバー42位で2度目のオリンピック最終日を迎える。
昨年5、6月頃から、ジョーダン・スピースらを教えるキャメロン・マコーミック氏に師事している。スイングについて継続的に取り組むことを初日が終わった段階で改めて相談したという。「自分が『こういう風にしたい』っていうことをいろいろ手伝ってもらったり、自分の知らないことを教えてもらったり。自分よりゴルフのことをすごく知っている方なので、学ぶところがたくさんある」
公言してきたロリー・マキロイ(北アイルランド)への憧れは不変。前週アイルランド代表として出場していたマキロイに出くわし、6月「全米女子オープン」での大会2勝目を祝福されたばかりだった。「男子選手、マキロイもそうですけど、理想的なスイングをしているので。全く同じにはできないですけど、『こんな感じでやっているんだな』というアイデアはある。自分の身体の限界もあるので、それに近づくまでは行かないですけど、スイングを良くしていきたい」と一端を明かす。
キャリアを見据えたトライではあるが、何より目の前の一打で結果を出すためにやっていること。「勇気を出して、やるしかないですね」と自らに言い聞かせるようにつぶやいた。ラスト18ホール、ひとつでも上を目指す。(フランス・ギュイヤンクール/亀山泰宏)