「金メダルを獲ってほしい」笹生優花と山下美夢有が松山英樹から託された思い
◇パリ五輪 女子 事前(6日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇6374yd(パー72)
男子ゴルフの最終日、松山英樹が銅メダル獲得を決めた瞬間、山下美夢有は同じパッティンググリーンで練習中だった。チームと喜びを分かち合う松山に「おめでとうございます」と伝えると、「『日本の女子チームも金メダルを獲れるように頑張ってほしい』と言われて、すごくうれしくなりました」。すでに燃え上がっていたモチベーションは、メダリストからのエールでこれ以上ないほど高まった。
山下にとって、ロープサイドで松山のプレーを見るのも初めての経験だった。「松山さんの『メダルを獲る』っていう気持ちがすごく伝わってきた」。世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)らを相手に一歩も引かないプレーに技術はもちろん、鬼気迫るものを感じた。
一方でフィニッシュを崩したショットがチャンスにつく松山“らしい”シーンには「自分で納得していないから手を離していると思うんですけど、それが結果として寄るっていうのもプロとしては結構多いのかな」と共感も覚えたと笑う。
笹生は当時、女子の練習ラウンド向けに解放されていたフロントナインをプレーしており、「松山さんのフィニッシングホールは見られなかった」という。それでも「(松山さんが)メダルを獲れたことがうれしいですし、私もそれに続けたら」と力を込める。
前週からパリに入って調整し、男子の2日目には憧れのロリー・マキロイ(アイルランド)の組にもついて歩いたという。「この大会に向けてベストを尽くしてきたし、パフォーマンスも戻ってきている。今週も頑張ります」
笹生が6月「全米女子オープン」で優勝、山下が「全米女子プロ」で2位とメジャーで結果を残して迎えるオリンピック。松山に続いて日本を沸かせる4日間を目指す。(フランス・ギュイヤンクール/亀山泰宏)