舞台＜きょうの一枚＞フォトグラファー今井暖

◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 初日(11日)◇エビアンリゾートGC（フランス）◇6523yd（パー71）

ゴルフトーナメントのクライマックスは、ほとんどの場合最終ホールである18番のグリーンがその舞台だ。

18番ホールの設（しつら）え方がそのトーナメントの意思を表していると言っても言い過ぎではない。煌（きらび）びやかな装飾、巨大なスクリーン、そびえ立つギャラリースタンド。主催者がグリーンを中心にそれぞれのアイデンティティをそれぞれのカタチで示す。

初日の朝、昇ってくる太陽とともに18番グリーン脇に立ってコースにレンズを向けるのは僕の一つの楽しみだ。もちろんいつも運よく日の出に出会えるわけではない。雨の日もあれば凍えるような寒い日だってある。

今回訪れたのはフランスにあるエビアンリゾートGC。レマン湖のほとり、スイスとの国境に位置する。アップダウンが激しい上にグリーンの傾斜もキツく、選手を苦しめるのは容易に想像できる。男女で唯一フランスで開催されるメジャーの18番グリーンは意外にもスタンドがなければ巨大スクリーンもない。あるがままの自然に最低限の看板とアウトドアチェアを並べた客席がプレーヤーを出迎える。形容しづらいのだが、シンプルでありながらなんとなく品が良いのだ。

潔ささえ感じるこの18番グリーンを彩るのはもちろん選手たちだ。世界中からメジャーチャンピオンを目指してここに集った女子選手たち。日曜日の夕刻、優勝者と埋め尽くされた観客席によって完成するこの舞台は開演を迎えた。