2024年 ダウ選手権

「こんなに人のパットを祈ることなんて…」西郷真央が取り戻した“初心”

2024/07/01 06:57
西郷真央(左)はダブルス戦に誘ってくれたソン・ユジンに感謝

◇米国女子◇ダウ選手権 最終日(30日)◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6256yd(パー70)

最終18番(パー3)、西郷真央はペアを組むソン・ユジン(韓国)のバーディパットを祈りながら見守っていた。「こんなに人のパットを祈ること、なかなかないんで…」と笑いながら、通算16アンダーの8位で充実感たっぷりに初出場のダブルス戦を終えた。

スタート前に話した畑岡奈紗に目標を尋ねると、「(ペアでバーディ)9個ずつで18個」と驚きの答えが返ってきて少し燃えるところもあったそう。「私も9個獲らないと…」と設定した高いハードルに迫る6バーディを奪った。

何より、フォアボール(ペアのそれぞれがプレーしてホールごとに良い方のスコアを採用)のフォーマットでプレーした2日目と最終日の計36ホール、西郷は1個もボギーを打っていない。前日に比べて一気に冷え込んだこの日、パートナーの状態は好調とは言えないものだった。チームスコアがパーだった4番(パー3)、バーディだった8番でソンはいずれもボギー。「それでも楽しくプレーできたのは、チーム戦ならではなのかな」とうなずく。

最終18番はパートナーのバーディパットに必死でお祈り

もともとは2週後のメジャー「アムンディ エビアン選手権」に備えて帰国する予定だったが、同じルーキーのソンから誘われて出場を決めた。「こっち(米国)に来てから、ずっと張り詰めた神経質なプレーが多かった。自分がゴルフを好きでやっていること、その“初心”に戻りたいっていうこともあった。そのゴルフが大好きな気持ちを、より思い出せた」。最終予選会を2位で突破しても、シーズンスタートは限定的なステータスから。一心不乱に走り続けてきた中、心から楽しんでプレーできる時間を欲していたのかもしれない。

メンタルの充実とともに、7位に入った前週「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」でも感じたショットの収穫はメジャーでの戦いにもつながっていく。「自分が打ちたい球を打てる回数は増えてきた。グリーン周りのアプローチ、パッティングをもうちょっと上げていけたら」。2年前に3位に入ったが、昨年は予選落ちを喫したエビアンに向け、「あんまりそういった(昨年の)ことは考えず、いつも通り自分らしいプレーができるように頑張りたい」。楽しい時間を終えて表情を引き締めた。(ミシガン州ミッドランド/亀山泰宏)

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