「ごめん」は言わない約束だったけど…渋野日向子&勝みなみはスーパーセーブ連発
◇米国女子◇ダウ選手権 初日(27日)◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6256yd(パー70)
最終18番(パー3)、手前からバーディトライを残す渋野日向子にペアを組む勝みなみが近づいた。スタートから、グリーン上のライン読みに関しては自然とお互いの感性を尊重し、相談する様子は全くなかったはず…。「(ダブルス戦の)雰囲気出して、読みに行くわ」と歩いてきた勝に渋野も問いかける。「スライスだよね?上りだよね?」「いいよ、入るよ」。優しく背中を押してもらった一打は惜しくも外れ、1オーバー「71」で初日を終えた。
ペアが1つのボールを交互に打つフォアサム方式は、勝が偶数ホール、渋野が奇数ホールのティショットを打つ“作戦”だった。渋野は「自分がティショットを打たない時とか気楽に見られるねって話していたけど、自分が打つ時には倍の緊張感。結局、18ホール回った分だけ疲れてる」と笑う。
3番(パー5)で渋野が3打目のウェッジをピンに絡め、勝が1.5mのチャンスをきっちり沈めてバーディ先行。4番(パー3)でボギーをたたくと、7番(パー3)では渋野のティショットがこぼれ、奥からは砲台状になっているグリーンにうまく寄せた勝のアプローチを生かせずボギー。8番も渋野のラフからのセカンドが止まらず、何とかパーを拾った。
渋野は「『ごめん』って何回言ったか。言わないようにしようって話していたけど、言わざるを得ない“最低ショット”が多かった。ウチがとんでもねーところに外すから、申し訳なくて…」と苦笑交じりに振り返る。
最近の好調を支えていたショットが乱れても、相棒がショートゲームで助けてくれるのがダブルス戦ならでは。13番(パー3)でもガードバンカーに落とした後、勝がきつい左上がりのライから「マジでフルスイングしました」という(手前の砂ごとボールを運ぶ)エクスプロージョンショットを披露。1m強のパーパットを渋野が決めてしのいだ。
パーオン率44.44%(8/18)と苦しみながら1オーバー43位で踏みとどまれたのは、2人が必死に力を合わせたからこそ。「結構シビアな内容だったとは思うけど、(回っている時は)そう思わなかった」とパートナーに感謝した渋野も、微妙な距離のパッティングで耐えるゴルフを支えた。
フォアボール(ペアのそれぞれがプレーしてホールごとに良い方のスコアを採用)で行われる2日目は、33位タイまでのカットラインも気にしながら午後組でのプレーとなる。比較的スコアが出やすいフォーマットに「お互い全部攻めよう」と反撃を誓った後は、「オムライスでいいかな?」。夕食のメニューを相談しながら同じレンタルハウスへ引き揚げた。(ミシガン州ミッドランド/亀山泰宏)