「イメージを湧かしに湧かして…」渋野日向子が池のふちからドラマチックセーブ
◇女子メジャー第3戦◇KPMG全米女子プロゴルフ選手権 2日目(21日)◇サハリーCC(ワシントン州)◇6731yd(パー72)
3連続バーディの派手なスタート以上にドラマチックだった渋野日向子の一打は、後半2番(パー5)で飛び出した。
フェアウェイからの3打目をダフってミス。手前の傾斜からペナルティエリアに転がり落ちたが、池のふちに敷き詰められた石と石の間、水気を含んだ砂地にボールは止まってくれていた。ライも浮いている感じだった。「池に入ったと思ったけど、行ってみたら打てる状態だった。ホントにラッキーでした」
とはいえ、普段練習するようなシチュエーションではないアプローチだ。「イメージは…湧かしに湧かしました、もう必死に(笑)」。ピンまで10ydほどと距離がないことも幸いだったという。58度のウェッジでフェースを開き、周囲の石は気にせず、最近さえているバンカーショットの要領でボールを出すことに集中。1m弱に寄せるナイスパーセーブに「完ぺきと言ってもいいくらいのショット」と胸を張った後で「いや、3打目にダフるの何とかしろって感じ。その悔いがすごい」。いつもの自虐節で笑いを誘った。
最終9番(パー3)は、グリーン奥にこぼしてからアプローチを失敗。パターで複雑な傾斜を伝わせる3打目の寄せも3m弱オーバーしながら、返しをねじ込む“ナイスボギー”。冷や汗をかく締めくくりも「2番でパーセーブできた分のボギーかな」と受け止めている。
4バーディ、2ボギーというスコアの動き以上に濃密な一日を「キックしてグリーンに乗ってくれたり、きょうはすごくラッキーデー。ロケットスタートした中ではちょっと残念かなって思うところもあるけど、かなりドラマのあるラウンドだった」と表現。タフなメジャーセッティングで2日間とも「70」をそろえ、通算4アンダーと上位で大会を折り返した。
「この位置で決勝ラウンドを迎えられるのはすごく良かったし、まだまだ頑張れるなって思える」。2位だった「全米女子オープン」に続くドキドキの週末にテンションを上げた。(ワシントン州サマミッシュ/亀山泰宏)