「まだ伸びしろたくさんだなと」渋野日向子は週末の後退を次週メジャーの糧に
◇米国女子◇マイヤーLPGAクラシック for Simply Give 最終日(16日)◇ブライズフィールドCC(ミシガン州)◇6556yd(パー72)
最終18番(パー5)で渋野日向子の1Wショットは右サイドのフェアウェイバンカーにつかまった。アゲンストの風は同じ強さでなかったとしても、前日はキャリーで越えていたはず。3連戦目のフィニッシングホールで蓄積した疲労も影響してか、切り返しのタイミングが早いスイングが増えていった印象もあった。
「そんな感じはありましたね。疲れもある分、飛ばさなきゃっていうのが悪い方向に行ってたかなと思う。終わりの方は飛んでないなと感じるところが多かった。(頭では原因を)理解しているけど、(感覚を)信用しきれてなかった」。2打目が出すだけとなり、3打目のアイアンショットも右に外してガックリ。前日と同じ「73」でも、ロングゲームで見せ場を作った3日目に比べれば「非常に悔しいです」というひと言に集約される。
第1組と早朝のスタート。2番でチャンスを決められず、3番は花道から土手を越えるアプローチがオーバーして5mほどのパーパットを何とか沈める展開だった。フォローの風が吹く中で1Wショットの飛距離が277ydを計測した4番(パー5)でバーディを逃すと、5番(パー3)で3パットボギーが先行した。この5番を含めて長いパットを打たされるシーンが多く、「全然かみ合ってなかったから、チャンスも少ないし、ロングパットも多いし…。あんまり伸びそうにない一日だなーって思っていました」
ギリギリで2オンした8番(パー5)で初バーディ。後半12番も獲ったが、16番でボギーをたたき、17番はバーディパットがショートした後に1.2mがカップに蹴られて2連続。首位と4打差10位で折り返した週末にジリジリと後退し、通算5アンダー41位で4日間を終えた。
2週前の「全米女子オープン」から自らのゴルフ、シーズンの流れは急激に上向いた。次週に再びメジャーの「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」(ワシントン州サハリーCC)を控える中で突き付けられた悔しさが緊張感を高め、さらに上を目指す糧になる。
「まだ伸びしろたくさんだなと思える。いい時ばっかりじゃないですし、自分の現状をしっかり受け入れるいい機会だったのかな。(全米女子プロに)つなげていけたらいいなと思うし、コースもメジャーセッティングになっているだろうから、しっかり準備していい状態で試合に行けるように」。反省が口をついても、言葉のトーンは力強いままだ。(ミシガン州ベルモント/亀山泰宏)