「もっと頑張らないと」渋野日向子はメジャー翌週もクラブ調整に余念なく
◇米国女子◇ショップライトLPGAクラシック by Acer 事前情報(6日)◇シービュー ベイコース(ニュージャージー州)◇6190yd(パー71)
開幕前日のプロアマ戦のスタート前、渋野日向子は慌ただしそうに準備を進めていた。1W、3Wといった主に長いクラブを打っては、スタッフがヘッドを“カチャカチャ”…。シャフトとのマッチング、ロフト角やライ角などを細かく調整するような様子があった。
2位に入った「全米女子オープン」の翌週。今週の会場入り後、疲れが少し残っていることを認めつつ「すぐに切り替えはできたつもり」と精力的にクラブを振っている。「先週の良いイメージが残っているのでしっかりそれを生かせるように」。低迷中のシーズン半ばで突如、来季のシード権をほぼ手中にする活躍を見せて、終わりにするわけにはいかない。つかんだ手応えを逃がすまいと必死だ。
昨年までに使用経験のあったシャフトに差し替えたことは、単純な用具の面における改善以上に、渋野の心を強くした。「クラブとかいろいろありますけど、ちょっと自信を取り戻せるきっかけになった」のが大きい。自分に期待して、前向きにプレーできるようになったことが何よりの好材料だ。
72ホールで通算1アンダー、我慢続きだったランカスターCCからは一変し、今大会の会場はツアーで有数の短距離コース。昨年の優勝スコアは3日間通算14アンダーで(アシュリー・ブハイ/南アフリカ)、例年スコアの伸ばし合いが展開されている。「(全米女子とは)違う意味で難しい。距離はそこまで長くないのでバーディを獲っていきたいけれど、(パットが)入らなかったことを気にせず、切り替えができるように」と、精神面の充実を攻略ポイントに挙げる。
ボールのバウンド、転がりを不規則にするポアナ芝のグリーンは、特にパッティングで選手の気持ちをかき乱す。「自分のストロークに集中したい。イレギュラーな外し方はあるので、そこに対してあまり引きずらないように」と自らに言い聞かせた。前週のメジャーではフィールド最多の17バーディを獲得。来た波を、乗りこなせる状態にある。
全米女子で2勝目を挙げた笹生優花、今季2勝のハンナ・グリーン(オーストラリア)と予選ラウンドを回る。「最後まで本当にあきらめずに戦ったんですけど、やっぱり最後は優花がすごく強かったと思った。悔しい気持ちもありますけど、すごく刺激をもらった」という同志とさっそく一緒にプレー。「これからもっと頑張らないと」と口元を結んだ。(ニュージャージー州ギャロウェイ/桂川洋一)