心機一転? 畑岡奈紗の“鬼門”とツアー8年目のアドバンテージ
◇米国女子◇フォード選手権 presented by KCC 事前情報(26日)◇セヴィールG&CC (アリゾナ州)◇6734yd(パー72)
ツアー8年目を戦う畑岡奈紗には、キャリアで少しばかり避けてきた“鬼門”がある。「アリゾナにはちょっと苦手意識があって。自分の中でイメージがなかなかできないというか」。今週の新規大会が行われる同州でプレーするのは5年ぶり。昨年、別コースで行われた「ドライブオン選手権」もスキップしていた。
アリゾナでの最後のプレーは、同じフェニックスエリアで行われた2019年3月「バンク・オブ・ホープ ファウンダーズカップ」(ワイルドファイヤーGC)。18年にも出場し、いずれも予選落ちだった。20年3月も出場を考えたが、当時は新型コロナ禍が本格化した直後で、大会が急きょ延期され日本にとんぼ返りした思い出がある。
ツアーを初めて迎える今大会のコースを開幕3日前からチェックしている。「グリーンは大きいですけど、傾斜がすごく大きいわけではない。パターさえ決まればスコアがすごく出そう」と伸ばし合いを予想。
米ツアーで長くプレーしてきたことで生まれるアドバンテージはこんなところにもある。25日(月)の練習ラウンドをともにしたアレーナ・シャープは当地のメンバー。「(ショットの)ターゲットラインなんかを教えてくれました。ノートに書いてあることとは違って、『意外とここに打っていったほうがいい。フェアウェイの小さい傾斜を使って、こっちを狙ったほうが距離を稼げる』なんて」と攻略法をわずかでも伝授してもらえた。
前週の「朴セリ選手権」で今季初の予選落ち。アップダウンの激しい18ホールで強風とぶつかるうちに、自然とセットアップがおかしくなった。アドレス時のボール位置が正対した身体から離れ、さらに飛球線の後方に。「自分のボールポジションがずれていたところに、プラス、ああいう(トリッキーな)コースで、余計にスイングが以前のものに逆戻りしたというか」と振り返り、練習場でいち早く修正に取り組んでいる。
砂漠の上のコースからは、山々がつくる息をのむような景色が望める。「(過去アリゾナに)2回来たコースは記憶にないので、また新しい気持ちで頑張ります!」。ネガティブなイメージにはフタをしておく。(アリゾナ州ギルバート/桂川洋一)