吉田優利は米デビュー戦で予選落ち 思い出すプロ初年のスロースタート
◇米国女子◇ファーヒルズ朴セリ選手権 2日目(22日日)◇パロスバーデスGC (カリフォルニア州)◇6447yd(パー71)
予選カットラインを遠くに見上げながら、吉田優利は正真正銘のルーキーだった頃を思い出していた。「日本でもこういうことがあったなあ」。米ツアーでのデビュー戦は予選落ち。「77」、「75」と連日オーバーパーの通算10オーバーでコースを去った。
スタートの10番で4mを沈めてバーディ発進。初日6オーバーの出遅れから「きょう全部“借金”を返すくらいの気持ちで回りたかった」という気勢はすぐにそがれてしまう。2打目をグリーン左奥に外した次の11番から2連続ボギー。後退を強いられ、カムバックの糸口をなかなか見つけられなかった。
小さく、硬く締まったグリーンに対してショットがぶれた。パーオン成功ホールは初日が7回、この日は9回。「イメージがなかなか湧かない。良いショットを打っても(ピンに)ついてくれなかったり、どれだけバウンドするか分からなかったり。つかめないうちに終わってしまった」。得意のウェッジゲームも未体験の芝や地面で実力を発揮できないまま。「グリーンを外した時に日本みたいに拾えなくて。自分はショートゲームが持ち味でもあった。そこが全然生かせないので、なかなか苦しいゲームになってしまった」と自分に厳しく言った。
昨年の最終予選会(Qシリーズ)を7位で通過し、今季の主戦場を米ツアーに移した。望んだ結果にならなかったのは、日本での新人時代と同じだったかもしれない。
同世代のナショナルチームメンバーと鳴り物入りでプロテストに合格したのが2019年。翌年コロナ禍でスタートが遅れた2020―21年シーズンは最終的にメルセデスランキング、賞金ランキングともに22位を記録したが、20年の開幕から7試合で3試合予選落ちを喫していた。初めてトップ10入りしたのは、プロ19試合の21年4月「KKT杯バンテリンレディス」。その年の夏場以降に2勝をマークした。
「もうちょっと場数を踏んで頑張りたい」。次週はアリゾナ州での「フォード選手権」(セヴィールG&CC)に出場。「自分が日本でデビューした初年度も、良いわけじゃなかった。そこをつかんでからのスピード感が大事。予選落ち…なんかこういう感じだったなと思って。来週また頑張りたい」。新鮮な気持ちを思い出して、第2のルーキーイヤーを歩き出した。(カリフォルニア州パロスバーデス・エステーツ/桂川洋一)