ダイキン欠場の申ジエはパリ五輪切符に全力「最初で最後のチャンス」
◇米国女子◇HSBC女子世界選手権 事前(27日)◇セントーサGC タンジョンコース(シンガポール)◇6775yd(パー72)
日本ツアーのシーズン開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」(沖縄・琉球GC)が行われる今週、申ジエ(韓国)は沖縄から約3770㎞離れたシンガポール・セントーサ島にいる。
「ツアー競技優勝者の翌年度出場義務」(ツアー規定第25条)違反として罰金100万円が科されることになっても、米ツアー「HSBC女子世界選手権」への参戦を選んだ。
「みんな待っていた開幕戦、私が一番待っていたと思う。スポンサーさん、ファンの皆さんに申し訳ない気持ちです」。心苦しさをにじませた上で「今年はオリンピックがあって、特別な年。世界ランキングをもっと上げたい」と覚悟を明かした。
世界ランク16位でも、ハイレベルな韓国勢ではコ・ジンヨン(6位)、キム・ヒョージュ(9位)、エイミー・ヤン(15位)に次ぐ4番手。8月「パリ五輪」の韓国代表切符をつかむためには、最大4枠に増えるランク15位以内に入ることが当面の目標となる。
昨年「全米女子オープン」2位、「AIG女子オープン(全英女子)」3位と好成績を連発した海外メジャーへの積極的な出場も、今年のオリンピックを見据えた行動だった。
「いままでオリンピックをプレーしたことがない。プロになって、米ツアーでも、ほかのツアーでも優勝することができた。いろんな経験をしてきた。もう20年やってきたのに、まだやったことのないチャレンジができることはすごく楽しみ。これから何年できるか分からないけど、最初で最後のチャンスと思って頑張ります」
3月21日開幕の米ツアー「ファーヒルズ朴セリ選手権」(カリフォルニア州パロスバーデスGC)への推薦出場が決まっており、ポイント配分の大きい海外メジャーへの積極的な参戦も継続する。
目標に向けてまい進する中でも「それだけじゃなく、(シーズン)最後までいいプレーをしたい。オリンピックが終わって、日本に戻ってからもすごく大事。待ってくれている皆さん、応援してくれる皆さんのために、少ない試合でもいいプレーを見せたい」。2週後 の「Vポイント×ENEOS」が初戦となる日本での戦いにかける情熱もすさまじい。プロフェッショナルの矜持を示した。(シンガポール・セントーサ島/亀山泰宏)