キレイなゴルフよりも… “リカバリー女王”吉田優利は粘って2023年最終ラウンドへ
◇米国女子◇Qシリーズ(最終予選会) 6日目(5日)◇マグノリアグローブGC(アラバマ州)◇クロッシングコース(6664yd、パー72)
5ラウンド目のスタート前から、吉田優利はスイングがしっくりこなかったという。「回りながら修正していこうと思っていたんですけど、なかなか100%直ったわけじゃなくて」。2位スタートからパーを並べ、2打目でグリーンをショートした前半7番でボギーが先に来た。
思うようにいかないときは、スコアメークに徹する気持ちを強く持つ。「やっぱりキレイなゴルフをしたいですけど、そうじゃない時もある。(前日までの)4ラウンドは比較的良いゴルフができていた。『こういう日もある』と思いながら回っていた」。気持ちの上で平静を保っていると、9番でスーパーショットが飛び出す。打ち上げの残り180ydを3Wでピンそば2m強につけてバーディを奪い返した。
国内ツアーでは直近2シーズン、リカバリー率で1位。後半13番(パー5)、グリーン左手前ラフからの3打目は両足がバンカー内、ボールはひざの高さほどにあった。特殊な状況からウェッジで転がしてピン奥1.5mに。「アプローチがすごく良かったですね。難しかった。ラッキーバーディ」と笑った。
4バーディ、1ボギーの「69」で通算21アンダー。来季米ツアーのより優先的な出場権が得られる20位タイとは現在9打差をつける。差し迫った状況だけを考えれば“逃げ切り”が頭に浮かぶが、吉田は最終ラウンドを前に今シーズンの全体を見渡した。「(最終予選会に)通る、通らないももちろん大事ですけど、自分がどれだけ良いゴルフができるかは、今年の終わりとして自分的には大事にしている」
全6ラウンドの最後は最終組の1つ前の組でプレーする。「自分がどれだけ良いゴルフができるか。結果はそれについてくると思う。あしたは一生懸命頑張りたいと思います」。これまでの1年と、この先の1年を見据えて、納得いく形で長丁場を締めくくる。(アラバマ州モービル/桂川洋一)