畑岡奈紗がシーズン5度の最終日最終組で見続けたライバルの歓喜
◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 最終日(19日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6556yd(パー72)
18番のグリーン上でツアー仲間に祝福されるエイミー・ヤン(韓国)の姿を、畑岡奈紗はずっと眺めていた。そして、満面の笑みで引き揚げてくるライバルとハグ。勝者が浴びたばかりのシャンパンの香りがシャツに染みついた。
1月の開幕戦はブルック・ヘンダーソン(カナダ)、7月のメジャー2試合はアリセン・コープスとセリーヌ・ブティエ(フランス)、2週前の「TOTOジャパンクラシック」は稲見萌寧、そして今回も…。今季5度の最終日最終組は、いずれも歓喜を見届ける側に回った。
繰り返しのようでいて、明確な違いがある。「きょうは、ホントに最終日最終組とは思えないくらい、自分でも落ち着いているなと思っていた。一番自信を持ってプレーできた。なかなかプレーにはうまく(結びついて)いかなかった部分が多かったですけど…」。前半で3打差をつけた時も、そのリードを追いつかれ、ひっくり返された時もメンタルはフラットだったという。
首位で最終日を迎えた「TOTO」は、ショットで試行錯誤しながらの戦いだった。自分の中でチェックポイントがクリアになりつつあった今回は、感じる手応えも上回る。「きょうみたいなゴルフをずっと続けられれば、もっと自信を持って、上位争いも増えてくる」。ひとつの課題だった100yd以内のショットが冴えていたから、伸ばし合いに食らいつけた。
ツアー8季目となる2024年は、過去2シーズンの優勝者として出場資格を持つ「ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ」(1月18日~/フロリダ州レイクノナG&CC)からスタートする見込み。
「すごくいい感覚も得られた。それをオフに磨いて、しっかり自分のものにできるように。飛距離アップもそうですし、また強くなって帰ってきたい」。短いオフに向けたモチベーションがあふれた。(フロリダ州ネープルズ/亀山泰宏)